数学A|場合の数と確率 教材

要約

場合の数と確率を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 数え上げの原則

選択肢が排反なら和、段階を続けるなら積で数えます。集合の要素数は重なりを1回引きます。順番を区別するか、同じ対象を何度使えるかを最初に整理します。

\[ n(A\cup B)=n(A)+n(B)-n(A\cap B) \]

2. 順列と組合せ

順列は選ぶ順番を区別し、組合せは順番を区別しません。円順列は回転を同じとするので1人を固定します。重複順列では各位置の選択肢を掛けます。

\[ {}_nP_r=\frac{n!}{(n-r)!},\quad{}_nC_r=\frac{n!}{r!(n-r)!},\quad\text{円順列}=(n-1)! \]

3. 確率・独立・反復試行

等確率の結果なら条件に合う結果数/全結果数です。独立な事象は確率を掛けられます。くじを戻すか戻さないかで独立性が変わります。『少なくとも』は余事象を使うと簡単になることがあります。

\[ P(\overline A)=1-P(A),\quad P(X=k)=\binom nk p^k(1-p)^{n-k} \]

4. 条件付き確率と期待値

条件が判明すると、その条件を満たす結果だけに標本空間を縮めます。期待値は各値と確率の積の和です。意思決定では受取額だけでなく費用も引き、平均的な利益を比較します。

\[ P(A\mid B)=\frac{P(A\cap B)}{P(B)}\quad(P(B)>0),\quad E(X)=\sum xP(X=x) \]

5. 例題と解き方

例題1|集合の要素の個数

生徒25人が少なくとも一方の講座を受講。英語20人、数学9人です。両方を受講する人数を求めなさい。

n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B)を変形します。

\[ \boxed{4\text{人}} \]

例題2|順列

異なる6人から2人を選び、順番に一列に並べる方法は何通りですか。

順番を区別するため、6から2個の連続する整数を掛けます。

\[ \boxed{30\text{通り}} \]

例題3|組合せ

異なる6人から委員2人を選ぶ方法は何通りですか。役職はありません。

並べる順序を区別しないので、順列の数をr!で割ります。

\[ \boxed{15\text{通り}} \]

例題4|円順列

異なる4人が円卓に座る方法は何通りですか。回転で重なる配置は同じ、鏡像は別とします。

1人の位置を固定すると、残りの人を並べる順列になります。

\[ \boxed{6\text{通り}} \]

例題5|重複順列

2種類の記号で長さ3の列を作ります。同じ記号を何度使ってもよいとき何通りですか。

各位置でa通りを独立に選ぶので、積の法則でaの(b+2)乗です。

\[ \boxed{8\text{通り}} \]

例題6|確率の基本

赤玉3個、青玉3個の袋から1個を無作為に取り出します。赤の確率を求めなさい。

全ての玉が等確率で選ばれるため、赤の個数÷全体の個数です。

\[ \boxed{\frac{1}{2}} \]

例題7|独立な試行

赤玉3個、青玉3個の袋から1個取り出して戻す操作を2回行います。2回とも赤の確率を求めなさい。

玉を戻すので2回の試行は独立。1回の赤の確率を2乗します。

\[ \boxed{\frac{1}{4}} \]

例題8|反復試行

成功確率\(\frac{1}{2}\)の独立な試行を4回行います。ちょうど2回成功する確率を求めなさい。

成功する2回の位置を組合せで選び、各並びの確率p²(1−p)^(n−2)を掛けます。

\[ \boxed{\frac{3}{8}} \]

例題9|条件付き確率

公平なさいころを1回投げ、目が2以上だったと分かりました。その目が偶数である条件付き確率を求めなさい。

条件に合う目だけを標本空間にし、その中の偶数の個数を数えます。

\[ \boxed{\frac{3}{5}} \]

例題10|期待値

公平なコイン1回で表なら200円、裏なら100円を受け取ります。受取額の期待値を求めなさい。

各受取額にその確率1/2を掛けて足します。期待値は毎回得られる額とは限りません。

\[ \boxed{150\text{円}} \]

例題11|余事象

成功確率\(\frac{1}{2}\)の独立な試行を3回行います。少なくとも1回成功する確率を求めなさい。

『少なくとも1回』の余事象は『全て失敗』。1から失敗確率の積を引きます。

\[ \boxed{\frac{7}{8}} \]

例題12|非復元抽出

赤玉3個、青玉3個から、戻さず2個取り出します。2個とも赤の確率を求めなさい。

順序を区別せず赤2個の組合せを全体2個の組合せで割ります。2回目の全体数は1減る点にも注意します。

\[ \boxed{\frac{1}{5}} \]

例題13|ベイズの考え方

箱Aは赤2個・青1個、箱Bは赤1個・青2個です。等確率で箱を選び1個取り出すと赤でした。箱Aを選んだ条件付き確率を求めなさい。

P(Aかつ赤)=(1/2)a/(a+b)、P(赤)=1/2。前者を後者で割ります。

\[ \boxed{\frac{2}{3}} \]

例題14|期待値と費用

当たり確率\(\frac{1}{2}\)のくじの賞金が600円、外れは0円です。参加費310円を引いた利益の期待値を求めなさい。

賞金の期待値は300円。参加費を引くと−10円です。

\[ \boxed{-10\text{円}} \]

6. よくある間違いと解く順序

順列と組合せ、復元抽出と非復元抽出、期待値と実際の結果を区別します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|集合の要素の個数

生徒100人が少なくとも一方の講座を受講。英語80人、数学36人です。両方を受講する人数を求めなさい。

問題2|円順列

異なる4人が円卓に座る方法は何通りですか。回転で重なる配置は同じ、鏡像は別とします。

問題3|独立な試行

赤玉4個、青玉7個の袋から1個取り出して戻す操作を2回行います。2回とも赤の確率を求めなさい。

問題4|期待値

公平なコイン1回で表なら400円、裏なら500円を受け取ります。受取額の期待値を求めなさい。

問題5|ベイズの考え方

箱Aは赤5個・青5個、箱Bは赤5個・青5個です。等確率で箱を選び1個取り出すと赤でした。箱Aを選んだ条件付き確率を求めなさい。

解答・解説

解答1|集合の要素の個数

n(A∪B)=n(A)+n(B)−n(A∩B)を変形します。

\[ \boxed{16\text{人}} \]

解答2|円順列

1人の位置を固定すると、残りの人を並べる順列になります。

\[ \boxed{6\text{通り}} \]

解答3|独立な試行

玉を戻すので2回の試行は独立。1回の赤の確率を2乗します。

\[ \boxed{\frac{16}{121}} \]

解答4|期待値

各受取額にその確率1/2を掛けて足します。期待値は毎回得られる額とは限りません。

\[ \boxed{450\text{円}} \]

解答5|ベイズの考え方

P(Aかつ赤)=(1/2)a/(a+b)、P(赤)=1/2。前者を後者で割ります。

\[ \boxed{\frac{1}{2}} \]

まとめ

場合の数と確率では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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