数学II|複素数と方程式 教材

要約

複素数と方程式を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 複素数の計算

i²=−1を満たすiを使って実数を拡張します。a+biの実部はa、虚部はbです。除法では分母の共役を掛け、分母を実数に直します。

\[ i^2=-1,\quad(a+bi)(a-bi)=a^2+b^2 \]

2. 2次方程式と解の性質

判別式が負でも複素数の範囲には2つの解があります。実数係数なら非実数の解は共役の組で現れます。解と係数の関係を使うと解を直接求めなくても対称式を計算できます。

\[ ax^2+bx+c=0\ (a\ne0):\quad\alpha+\beta=-\frac ba,\quad\alpha\beta=\frac ca \]

3. 因数定理と高次方程式

P(a)=0ならx−aが因数です。因数を取り出して次数を下げ、残りの方程式を解きます。実数解に限定するか複素数全体かを問題文で確認します。

\[ P(a)=0\iff x-a\text{が}P(x)\text{の因数} \]

4. 置換と重解

x⁴+px²+q=0はt=x²に置き換えて2次方程式にできます。tからxへ戻す操作を忘れません。重解は同じ値を何度も列挙せず、解の集合として整理します。

\[ x^4+px^2+q=0\Longrightarrow t^2+pt+q=0\quad(t=x^2) \]

5. 例題と解き方

例題1|複素数の四則

\((2+1i)(1-i)\)を計算しなさい。

分配法則で展開し、i²=−1を用いて実部・虚部をまとめます。

\[ \boxed{3-i} \]

例題2|共役複素数

\(z=2+1i\)の共役と、\(z\overline z\)を求めなさい。

共役は虚部の符号だけを変えます。積は実部の平方と虚部の平方の和です。

\[ \boxed{\overline z=2-i,\quad z\overline z=5} \]

例題3|複素数の除法

\(\frac{2+1i}{2-1i}\)を実部と虚部に分けなさい。

分母・分子に分母の共役a+biを掛け、分母をa²+b²にします。

\[ \boxed{\frac{3}{5}+\frac{4}{5}i} \]

例題4|虚数解をもつ2次方程式

\\(x^2-4x+5=0\\)を複素数の範囲で解きなさい。

(x−2)²=−1よりx−2=±1iです。

\[ \boxed{x=2\pm 1i} \]

例題5|解と係数の関係

\\(x^2-3x+2=0\\)の解をα,βとして、α+β、αβ、α²+β²を求めなさい。

解の和と積を係数から読み、平方の和は(α+β)²−2αβで計算します。

\[ \boxed{\alpha+\beta=3,\quad\alpha\beta=2,\quad\alpha^2+\beta^2=5} \]

例題6|解から方程式を作る

2つの解が2+1iと2−1iで、最高次の係数が1の2次方程式を作りなさい。

(x−α)(x−β)=0を展開します。共役な解なので係数は実数になります。

\[ \boxed{x^2-4x+5=0} \]

例題7|因数定理

\(P(x)=x^3-2x^2+1x-2\)がx−2を因数にもつことを示し、因数分解しなさい。

P(a)=0を確かめると因数定理を使えます。商はx²+bです。

\[ \boxed{P(x)=(x-2)(x^2+1)} \]

例題8|3次方程式

\((x-2)\(x^2+1\)=0\)を複素数の範囲で解きなさい。

積が0ならいずれかの因数が0。2次因数から虚数解を得ます。

\[ \boxed{x=2,\ \pm 1i} \]

例題9|複二次方程式

\(x^4-(5)x^2+4=0\)を解きなさい。

t=x²とおくと(t−a²)(t−b²)=0。最後にxへ戻し、2つの値が同じなら重複を除きます。

\[ \boxed{x=\pm 2,\ \pm 1} \]

例題10|共役解の利用

実数係数の3次方程式で2+1iが解、3つの解の和が5です。残る2つの解を求めなさい。

実数係数の方程式では共役も解です。その2解の和2aを全体の和から引きます。

\[ \boxed{2-i,\quad 1} \]

例題11|重解条件

\\(x^2-4x+k=0\\)が重解をもつkと重解を求めなさい。

判別式を0にするとk=a²。そのとき(x−a)²=0です。

\[ \boxed{k=4,\quad x=2} \]

例題12|3次式の解と係数

3つの解が2,1,1で最高次の係数が1の3次方程式を作りなさい。

(x−a)(x−b)(x−c)を展開します。xの係数は2つずつの積の和です。

\[ \boxed{x^3-4x^2+5x-2=0} \]

6. よくある間違いと解く順序

i²の符号、虚部bとbiの区別、解の範囲、置換後に元の文字へ戻すことを確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|複素数の四則

\((8+4i)(1-i)\)を計算しなさい。

問題2|虚数解をもつ2次方程式

\\(x^2-4x+29=0\\)を複素数の範囲で解きなさい。

問題3|因数定理

\(P(x)=x^3-3x^2+5x-15\)がx−3を因数にもつことを示し、因数分解しなさい。

問題4|共役解の利用

実数係数の3次方程式で4+5iが解、3つの解の和が9です。残る2つの解を求めなさい。

問題5|複素数の四則

\((5+5i)(1-i)\)を計算しなさい。

解答・解説

解答1|複素数の四則

分配法則で展開し、i²=−1を用いて実部・虚部をまとめます。

\[ \boxed{12-4i} \]

解答2|虚数解をもつ2次方程式

(x−2)²=−25よりx−2=±5iです。

\[ \boxed{x=2\pm 5i} \]

解答3|因数定理

P(a)=0を確かめると因数定理を使えます。商はx²+bです。

\[ \boxed{P(x)=(x-3)(x^2+5)} \]

解答4|共役解の利用

実数係数の方程式では共役も解です。その2解の和2aを全体の和から引きます。

\[ \boxed{4-5i,\quad 1} \]

解答5|複素数の四則

分配法則で展開し、i²=−1を用いて実部・虚部をまとめます。

\[ \boxed{10} \]

まとめ

複素数と方程式では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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