数学B|数学と社会生活 教材

要約

数学と社会生活を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 現実をモデルにする

問題の目的を決め、変数と単位をそろえ、必要な仮定を置きます。固定費と変動費などを式へ表し、整数や非負の制約も残します。計算結果を現実へ戻して意味を確認します。

\[ \text{利益}=\text{売上}-\text{固定費}-\text{変動費} \]

2. 金利・変化・比較

単利は元金に対して利息、複利は利息を含む残高に対して利息が付きます。値上げと値下げでは基準額が変わります。料金比較は不等式で境界を求め、回数が整数ならその制約を反映します。

\[ \text{単利}:P(1+rn),\quad\text{複利}:P(1+r)^n \]

3. 資料からの予測

標本比率から全体を推計したり、移動平均で短期の変動をならしたりします。計算値には標本誤差やモデルの誤差が含まれ、実際の個数は丸め方も必要です。推計と確定値を区別します。

\[ \text{推計人数}=\text{母集団人数}\times\text{標本比率} \]

4. モデルを評価する

線形・反比例・指数モデルにはそれぞれ前提があります。観測期間外への外挿、負の人口など意味を失う値、作業の分担の限界を調べます。解決後に仮定やデータを見直すことも数学的な活動です。

\[ \text{設定}\to\text{数学化}\to\text{計算}\to\text{解釈}\to\text{評価・改善} \]

5. 例題と解き方

例題1|料金のモデル化

基本料金100円、1回ごと20円のサービスを4回使います。料金の式と金額を求めなさい。

固定費と回数に比例する部分を分けて足します。nの単位は回数です。

\[ \boxed{C(n)=100+20n,\quad C(4)=180\text{円}} \]

例題2|損益分岐点

固定費2000円、1個当たり変動費100円、販売価格300円です。利益が0以上となる最少販売個数を求めなさい。

利益=(価格−変動費)×個数−固定費。0以上の不等式を立て、整数の個数に直します。

\[ \boxed{10\text{個}} \]

例題3|単利

元金20000円を年利1%の単利で3年預けます。税・手数料を無視して元利合計を求めなさい。

単利は毎年元金に対してのみ利息が付きます。P(1+rn)を使います。

\[ \boxed{20600\text{円}} \]

例題4|複利

元金20000円を年利1%、年1回の複利で2年預けます。税・手数料を無視し、途中で丸めず元利合計を求めなさい。

1年ごとに元利合計を(1+r)倍するのでP(1+r)²です。単利との違いを確認します。

\[ \boxed{20402\text{円}} \]

例題5|比較と意思決定

プランAは基本料200円・1回10円、Bは基本料0円・1回30円です。Aの方が安くなる整数の利用回数を求めなさい。

a×100+b×10n<(a+b)×10nを整理するとn>10。nは0以上の整数なので11回以上です。

\[ \boxed{n\ge11} \]

例題6|比例モデルと予測

2人で作業すると2分かかりました。仕事量が一定で、人数に反比例して時間が変わると仮定します。4人では何分と予測しますか。仮定の限界も述べなさい。

人数が2倍なら時間は半分です。ただし分担できない工程や連絡の時間があると、反比例は成り立たないことがあります。

\[ \boxed{1\text{分}} \]

例題7|指数的な変化

人数200人の集団が、毎年20%ずつ増えると仮定します。3年後の人数を丸めずに計算し、人数としての扱いを説明しなさい。

N₃=N₀(1.2)³。モデルの計算値は整数とは限らず、実際の人数に使うときは別途丸め方を決めます。

\[ \boxed{\frac{1728}{5}\text{人(モデル上)}} \]

例題8|移動平均

売上が3日順に200円、300円、400円でした。3日移動平均を求め、元のデータとの違いを述べなさい。

3日の和を3で割ります。平均化すると短期の変動が滑らかになりますが、各日の変化は見えにくくなります。

\[ \boxed{300\text{円}} \]

例題9|割合の基準

価格2000円を5%値上げし、その後同じ率だけ値下げします。最終価格を求めなさい。

値上げ後の価格が値下げの基準になります。P(1+r)(1−r)=P(1−r²)で、元には戻りません。

\[ \boxed{1995\text{円}} \]

例題10|モデルの妥当性

資料から『人口N(t)=2000−10t』という年tの線形モデルを作りました。すべての将来の年に使えますか。理由を書きなさい。

十分先では人口が負になるため、現実の意味を失います。観測期間や政策など前提を確認し、適用範囲を限定します。

\[ \boxed{\text{使えない}} \]

例題11|資源配分

材料20kgがあります。製品1個に1kg使うとき、作れる最大の個数と残る材料を求めなさい。

資源÷1個当たり必要量の整数部分が個数です。端数からもう1個は作れないので切り捨てます。

\[ \boxed{20\text{個},\quad0\text{kg}} \]

例題12|標本からの推計

無作為に調べた40人のうち10人がバス利用者でした。全体1000人に同じ比率を仮定した利用者数の推計と、注意点を書きなさい。

標本比率は1/4なので母集団数へ掛けます。これは推計値で、抽出の偏りや標本誤差を考慮する必要があります。

\[ \boxed{250\text{人}} \]

6. よくある間違いと解く順序

率を小数に直し、基準額、時間単位、整数制約、モデルの適用範囲を確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|料金のモデル化

基本料金400円、1回ごと80円のサービスを4回使います。料金の式と金額を求めなさい。

問題2|複利

元金20000円を年利5%、年1回の複利で2年預けます。税・手数料を無視し、途中で丸めず元利合計を求めなさい。

問題3|指数的な変化

人数300人の集団が、毎年20%ずつ増えると仮定します。3年後の人数を丸めずに計算し、人数としての扱いを説明しなさい。

問題4|モデルの妥当性

資料から『人口N(t)=4000−50t』という年tの線形モデルを作りました。すべての将来の年に使えますか。理由を書きなさい。

問題5|料金のモデル化

基本料金500円、1回ごと50円のサービスを4回使います。料金の式と金額を求めなさい。

解答・解説

解答1|料金のモデル化

固定費と回数に比例する部分を分けて足します。nの単位は回数です。

\[ \boxed{C(n)=400+80n,\quad C(4)=720\text{円}} \]

解答2|複利

1年ごとに元利合計を(1+r)倍するのでP(1+r)²です。単利との違いを確認します。

\[ \boxed{22050\text{円}} \]

解答3|指数的な変化

N₃=N₀(1.2)³。モデルの計算値は整数とは限らず、実際の人数に使うときは別途丸め方を決めます。

\[ \boxed{\frac{2592}{5}\text{人(モデル上)}} \]

解答4|モデルの妥当性

十分先では人口が負になるため、現実の意味を失います。観測期間や政策など前提を確認し、適用範囲を限定します。

\[ \boxed{\text{使えない}} \]

解答5|料金のモデル化

固定費と回数に比例する部分を分けて足します。nの単位は回数です。

\[ \boxed{C(n)=500+50n,\quad C(4)=700\text{円}} \]

まとめ

数学と社会生活では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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