数学II|三角関数 教材

要約

三角関数を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 角の拡張と弧度法

回転の向きと周回数も角に含め、単位円で任意の角の三角関数を定義します。半径と同じ長さの弧に対する角が1ラジアンです。弧長・扇形面積の公式は角をラジアンで入れます。

\[ 180^\circ=\pi\text{rad},\quad l=r\theta,\quad S=\frac12r^2\theta \]

2. グラフ・周期・範囲

sinとcosは周期2π、tanは周期πです。y=A sin(Bx−C)+Dでは振幅|A|、周期2π/|B|、中心の高さDを読みます。方程式・不等式を解くときは引数全体の範囲を先に求めます。

\[ -1\le\sin x,\cos x\le1,\quad \sin(x+2\pi)=\sin x \]

3. 加法定理と倍角・半角

和の角を2つの角のsin、cosから計算します。2倍角は加法定理で同じ角を使い、半角は2倍角を平方について解き直した公式です。半角の平方根の符号は角の範囲で判断します。

\[ \sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta,\quad\cos2\theta=1-2\sin^2\theta=2\cos^2\theta-1 \]

4. 合成と方程式

a sin x+b cos xは1つのsinへ合成できます。係数からRとαを決め、αの象限も確かめます。sin xへの置換では、得られた値が−1以上1以下かを確認します。

\[ a\sin x+b\cos x=R\sin(x+\alpha),\quad R=\sqrt{a^2+b^2},\quad R\cos\alpha=a,\ R\sin\alpha=b \]

5. 例題と解き方

例題1|弧度法

60°をラジアンで表し、半径1の円のその角に対する弧の長さを求めなさい。

180°=πラジアンです。弧の長さは角をラジアンにしてrθで計算します。

\[ \boxed{\frac{1}{3}\pi,\quad l=\frac{1}{3}\pi} \]

例題2|三角関数の周期

\(y=2\sin(1x)\)の振幅と正の最小周期を求めなさい。

振幅は係数の絶対値。引数bxが2π増えると1周期なのでT=2π/bです。

\[ \boxed{\text{振幅}2,\quad T=2\pi} \]

例題3|グラフの平行移動

\(y=2\cos(x-\frac\pi{3})+1\)の最大値・最小値と、横方向の移動量を求めなさい。

cosの範囲は−1から1。縦の倍率と平行移動を反映し、x−αなら右へαです。

\[ \boxed{\text{最大}3,\quad\text{最小}-1,\quad\text{右へ}\frac\pi{3}} \]

例題4|加法定理

鋭角αのsinα=\(\frac35\)、cosα=\(\frac45\)です。sin(α+30°)を求めなさい。

sin(α+β)=sinα cosβ+cosα sinβへ、30°または60°の値を代入します。

\[ \boxed{\frac{3\sqrt3+4}{10}} \]

例題5|2倍角

鋭角θについてtanθ=\(2\)です。sin2θとcos2θを求めなさい。

sin2θ=2tanθ/(1+tan²θ)、cos2θ=(1−tan²θ)/(1+tan²θ)を使います。

\[ \boxed{\sin2\theta=\frac{4}{5},\quad\cos2\theta=-\frac{3}{5}} \]

例題6|半角

0<θ<πでcosθ=\(-\frac{3}{5}\)です。sin(θ/2)を求めなさい。

sin²(θ/2)=(1−cosθ)/2です。θ/2は第1象限なので正の平方根を取り、有理化します。

\[ \boxed{\frac{2\sqrt{5}}{5}} \]

例題7|三角関数の合成

\(2\sin x+2\cos x\)をR sin(x+α)の形にし、最大値を求めなさい。0≤α<2πとします。

R=√(a²+a²)=a√2。cosα=sinα=1/√2なのでα=π/4です。

\[ \boxed{2\sqrt2\sin(x+\frac\pi4),\quad\text{最大}2\sqrt2} \]

例題8|三角方程式

\(\sin(1x)=\frac12\)を\(0\le x<\frac{2\pi}{1}\)で解きなさい。

t=bxの範囲は0≤t<2π。t=π/6,5π/6を求め、bで割ります。

\[ \boxed{x=\frac\pi{6},\quad\frac{5\pi}{6}} \]

例題9|三角不等式

\(\cos(1x)\ge\frac12\)を\(0\le x<\frac{2\pi}{1}\)で解きなさい。

単位円でcosが1/2以上の範囲を選び、引数の範囲と端点を確認してbで割ります。

\[ \boxed{0\le x\le\frac\pi{3},\quad\frac{5\pi}{3}\le x<\frac{2\pi}{1}} \]

例題10|加法定理からtan

鋭角α、βでtanα=2、tanβ=1です。tan(α+β)を求めなさい。

tan(α+β)=(tanα+tanβ)/(1−tanα tanβ)。ab≥2なので分母は0になりません。

\[ \boxed{-3} \]

例題11|2次式への置換

\(2\sin^2x-3\sin x+1=0\)を0≤x<2πで解くため、まずsin xの値をすべて求めなさい。

t=sin xとおくと(t−1)(at−b)=0。−1≤t≤1を満たす値だけを残し、b=aの重複も除きます。

\[ \boxed{\sin x=1,\ \frac{1}{2}} \]

例題12|扇形の面積

半径2、中心角\(\frac{1\pi}6\)ラジアンの扇形の面積を求めなさい。

扇形の面積はr²θ/2。角はすでにラジアンなのでそのまま代入します。

\[ \boxed{\frac{1}{3}\pi} \]

6. よくある間違いと解く順序

角度とラジアン、周期、半角の符号、方程式の端点、置換変数の範囲を確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|弧度法

240°をラジアンで表し、半径4の円のその角に対する弧の長さを求めなさい。

問題2|加法定理

鋭角αのsinα=\(\frac35\)、cosα=\(\frac45\)です。sin(α+30°)を求めなさい。

問題3|三角関数の合成

\(3\sin x+3\cos x\)をR sin(x+α)の形にし、最大値を求めなさい。0≤α<2πとします。

問題4|加法定理からtan

鋭角α、βでtanα=4、tanβ=5です。tan(α+β)を求めなさい。

問題5|弧度法

150°をラジアンで表し、半径5の円のその角に対する弧の長さを求めなさい。

解答・解説

解答1|弧度法

180°=πラジアンです。弧の長さは角をラジアンにしてrθで計算します。

\[ \boxed{\frac{4}{3}\pi,\quad l=\frac{16}{3}\pi} \]

解答2|加法定理

sin(α+β)=sinα cosβ+cosα sinβへ、30°または60°の値を代入します。

\[ \boxed{\frac{3\sqrt3+4}{10}} \]

解答3|三角関数の合成

R=√(a²+a²)=a√2。cosα=sinα=1/√2なのでα=π/4です。

\[ \boxed{3\sqrt2\sin(x+\frac\pi4),\quad\text{最大}3\sqrt2} \]

解答4|加法定理からtan

tan(α+β)=(tanα+tanβ)/(1−tanα tanβ)。ab≥2なので分母は0になりません。

\[ \boxed{-\frac{9}{19}} \]

解答5|弧度法

180°=πラジアンです。弧の長さは角をラジアンにしてrθで計算します。

\[ \boxed{\frac{5}{6}\pi,\quad l=\frac{25}{6}\pi} \]

まとめ

三角関数では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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