数学II|式と証明 教材

要約

式と証明を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 3次式と二項定理

3次式は立方の公式で展開・因数分解します。二項定理では、各因子から何回xを選ぶかが組合せの係数になります。欲しい次数がx^rか、定数をr回選んだ項かを整理します。

\[ (a+b)^n=\sum_{r=0}^n\binom nr a^{n-r}b^r \]

2. 整式の除法

整式を割ると、割られる式=割る式×商+余りとなります。余りの次数は割る式より小さくします。一次式x−aで割る余りは、aを代入した値です。

\[ P(x)=D(x)Q(x)+R(x),\quad\deg R<\deg D,\quad P(a)=R\text{(}D=x-a\text{)} \]

3. 分数式と恒等式

分数式は因数分解、約分、通分を使います。元の分母が0になる値は約分後も除外します。恒等式は任意の文字の値で成立するため、展開して同次数の係数を比較できます。

\[ \frac{x^2-a^2}{x-a}=x+a\quad(x\ne a) \]

4. 等式と不等式の証明

等式は片方を変形するか差を0へ直します。不等式は差を平方へ直す、相加相乗平均を使うなどの方法があります。正である仮定と等号成立条件を必ず示します。

\[ u+v\ge2\sqrt{uv}\quad(u,v>0),\quad\text{等号}\iff u=v \]

5. 例題と解き方

例題1|3次式の展開

\((x+2)^3\)を展開しなさい。

(u+v)³=u³+3u²v+3uv²+v³を使います。

\[ \boxed{x^3+6x^2+12x+8} \]

例題2|3次式の因数分解

\(x^3-8\)を因数分解しなさい。

立方の差u³−v³=(u−v)(u²+uv+v²)を使います。

\[ \boxed{(x-2)(x^2+2x+4)} \]

例題3|二項定理

\((x+1)^4\)の\\(x^2\\)の係数を求めなさい。

xを2個選ぶ組合せの数に、残りの定数の積を掛けます。

\[ \boxed{6} \]

例題4|整式の除法

\\(x^2+2x+1\\)を\(x-1\)で割った商と余りを求めなさい。

筆算で商を求めます。余りは割る式の次数より小さく、ここでは定数です。

\[ \boxed{Q=x+3,\quad R=4} \]

例題5|分数式の約分

\\(\frac{x^2-4}{x-2}\\)を簡単にし、定義域も示しなさい。

分子を(x−a)(x+a)に因数分解します。約分しても元の分母が0となる値は除外します。

\[ \boxed{x+2\quad(x\ne 2)} \]

例題6|分数式の加法

\(\frac1{x-2}+\frac1{x+2}\)を簡単にしなさい。

共通分母(x−a)(x+a)に通分し、分子(x+a)+(x−a)=2xをまとめます。

\[ \boxed{\frac{2x}{x^2-4}\quad(x\ne\pm 2)} \]

例題7|等式の証明

\(x+y=2\)のとき\\(x^3+y^3=8-6xy\\)を証明しなさい。

x³+y³=(x+y)³−3xy(x+y)にx+y=aを代入します。

\[ \boxed{\text{恒等式に条件を代入する}} \]

例題8|平方による不等式証明

実数x,yで\\(x^2+4y^2\ge 4xy\\)を証明し、等号成立条件を示しなさい。

左辺−右辺=(x−ay)²≥0。等号は平方の中身が0のときに限ります。

\[ \boxed{x=2y\text{のとき等号}} \]

例題9|相加相乗平均

x>0で\(x+\frac{4}x\)の最小値と等号条件を求めなさい。

2項が正なので相加相乗平均を使えます。積がa²、等号はx=a²/xよりx=aです。

\[ \boxed{\text{最小値}4,\quad x=2} \]

例題10|恒等式の係数比較

\((x+2)(x+1)=x^2+px+q\)が恒等式となるp,qを求めなさい。

左辺を展開し、同じ次数の係数を比較します。任意のxで成立することが恒等式の条件です。

\[ \boxed{p=3,\quad q=2} \]

例題11|剰余定理

\(P(x)=x^3+1x+1\)を\(x-2\)で割った余りを求めなさい。

剰余定理より余りはP(a)です。

\[ \boxed{11} \]

例題12|条件付き不等式

正の実数x,yで\(x+y=4\)のときxyの最大値を、等号条件とともに求めなさい。

(x−y)²≥0より(x+y)²≥4xy。和を代入し、等号はx=yのときです。

\[ \boxed{xy\le 4,\quad x=y=2\text{で等号}} \]

6. よくある間違いと解く順序

約分によって定義域を広げないこと、二項定理の次数、相加相乗平均の正の条件を確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|3次式の展開

\((x+8)^3\)を展開しなさい。

問題2|整式の除法

\\(x^2+2x+5\\)を\(x-1\)で割った商と余りを求めなさい。

問題3|等式の証明

\(x+y=3\)のとき\\(x^3+y^3=27-9xy\\)を証明しなさい。

問題4|恒等式の係数比較

\((x+4)(x+5)=x^2+px+q\)が恒等式となるp,qを求めなさい。

問題5|3次式の展開

\((x+5)^3\)を展開しなさい。

解答・解説

解答1|3次式の展開

(u+v)³=u³+3u²v+3uv²+v³を使います。

\[ \boxed{x^3+24x^2+192x+512} \]

解答2|整式の除法

筆算で商を求めます。余りは割る式の次数より小さく、ここでは定数です。

\[ \boxed{Q=x+3,\quad R=8} \]

解答3|等式の証明

x³+y³=(x+y)³−3xy(x+y)にx+y=aを代入します。

\[ \boxed{\text{恒等式に条件を代入する}} \]

解答4|恒等式の係数比較

左辺を展開し、同じ次数の係数を比較します。任意のxで成立することが恒等式の条件です。

\[ \boxed{p=9,\quad q=20} \]

解答5|3次式の展開

(u+v)³=u³+3u²v+3uv²+v³を使います。

\[ \boxed{x^3+15x^2+75x+125} \]

まとめ

式と証明では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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