数学C|ベクトル 教材

要約

ベクトルを、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 成分と演算

ベクトルは向きと大きさを持ちます。成分ごとに和、差、実数倍を行い、大きさは平方和の平方根です。0でないベクトルを大きさで割ると、同じ向きの単位ベクトルになります。

\[ |\boldsymbol a|=\sqrt{a_1^2+a_2^2},\quad\boldsymbol e=\frac{\boldsymbol a}{|\boldsymbol a|} \]

2. 内積と角度

内積は大きさと角度を結ぶ実数です。0でない2ベクトルでは、内積0が垂直の条件になります。成分で計算する方法とcosを使う方法を問題の条件に合わせて選びます。

\[ \boldsymbol a\cdot\boldsymbol b=a_1b_1+a_2b_2=|\boldsymbol a||\boldsymbol b|\cos\theta \]

3. 位置ベクトルと図形

点を原点からの位置ベクトルで表すと、内分点や重心を式へ直せます。三角形の内部は3頂点の係数の和が1、各係数が0以上で表せます。図形条件を係数の条件へ翻訳します。

\[ \boldsymbol p=\frac{n\boldsymbol a+m\boldsymbol b}{m+n},\quad\boldsymbol g=\frac{\boldsymbol a+\boldsymbol b+\boldsymbol c}3 \]

4. 空間ベクトル

空間では第3成分を加えます。直線は基準点と方向ベクトル、平面は基準点と法線ベクトルで表せます。この教材では方程式への応用として扱い、代入して通過点や交点を確かめます。

\[ \boldsymbol r=\boldsymbol a+t\boldsymbol d,\quad\boldsymbol n\cdot(\boldsymbol r-\boldsymbol a)=0 \]

5. 例題と解き方

例題1|成分と演算

ベクトルu=(2,1)、v=(1,−2)について2u−vを求めなさい。

各成分を2倍し、対応する成分を引きます。

\[ \boxed{(3,4)} \]

例題2|大きさと単位ベクトル

u=(6,8)の大きさと同じ向きの単位ベクトルを求めなさい。

大きさは成分の平方和の平方根。uをその大きさで割ると長さ1になります。

\[ \boxed{|u|=10,\quad(\frac35,\frac45)} \]

例題3|内積

u=(2,1)、v=(1,−2)の内積を求めなさい。

同じ位置の成分の積を足します。内積の結果はベクトルでなく実数です。

\[ \boxed{0} \]

例題4|垂直条件

0でないu=(2,1)、v=(1,k)が垂直となるkを求めなさい。

内積ab+bk=0を解きます。b>0なので割ることができます。

\[ \boxed{k=-2} \]

例題5|なす角

u=(2,0)、v=(2,2)のなす角θを0≤θ≤πで求めなさい。

cosθ=(u・v)/(|u||v|)=1/√2。指定範囲の角はπ/4です。

\[ \boxed{\theta=\frac\pi4} \]

例題6|位置ベクトルと内分

A=(2,0)、B=(0,1)を1:2に内分するPの位置ベクトルを求めなさい。

AP:PB=1:2ならP=(2A+B)/3。内分比と係数は逆の対応になります。

\[ \boxed{P=(\frac{4}{3},\frac{1}{3})} \]

例題7|重心

三角形の頂点が(0,0)、(6,0)、(0,3)です。重心の座標を求めなさい。

3頂点の位置ベクトルを足して3で割ります。

\[ \boxed{(2,1)} \]

例題8|図形の内部条件

三角形OABでA=(2,0)、B=(0,1)、P=sA+tBです。Pが三角形の内部または辺上にあるs,tの条件を求めなさい。

O,A,Bの係数を1−s−t,s,tとすれば、いずれも0以上という条件です。境界も含みます。

\[ \boxed{s\ge0,\quad t\ge0,\quad s+t\le1} \]

例題9|空間ベクトルの内積

u=(2,1,1)、v=(1,−2,2)について、内積とuの大きさを求めなさい。

空間では3成分全ての積を足します。大きさも3成分の平方和から求めます。

\[ \boxed{u\cdot v=2,\quad|u|=\sqrt{6}} \]

例題10|空間の直線

点A=(2,1,1)を通り方向ベクトル(1,2,−1)をもつ直線を媒介変数tで表しなさい。

基準点の位置ベクトルに、方向ベクトルの実数倍を加えます。

\[ \boxed{(x,y,z)=(2+t,1+2t,1-t)\quad(t\in\mathbb R)} \]

例題11|空間の平面

点A=(2,1,1)を通り、法線ベクトル(2,1,1)をもつ平面の方程式を求めなさい。

平面上の変位ベクトルと法線の内積が0になることを使います。

\[ \boxed{2(x-2)+1(y-1)+(z-1)=0} \]

例題12|図形の面積

O=(0,0)、A=(2,0)、B=(1,1)の三角形の面積を求めなさい。

OAを底辺とすると長さa、Bからx軸までの高さc。面積はac/2です。

\[ \boxed{1} \]

例題13|球面の方程式

空間で中心A=(2,1,1)、半径3の球面の方程式を求めなさい。

中心からの距離が一定という定義を、空間の3成分を用いて平方にします。

\[ \boxed{(x-2)^2+(y-1)^2+(z-1)^2=9} \]

例題14|直線と平面の交点

直線(x,y,z)=(t,2t,1t)と平面x+y+z=4の交点を求めなさい。

直線の座標を平面に代入すると(1+a+b)t=c(1+a+b)。係数が正なのでt=cが唯一の解です。

\[ \boxed{(1,2,1)} \]

6. よくある間違いと解く順序

内積の結果は実数です。0ベクトルに角度を定義せず、内分点の係数と空間の第3成分を確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|成分と演算

ベクトルu=(8,4)、v=(1,−8)について2u−vを求めなさい。

問題2|垂直条件

0でないu=(2,5)、v=(5,k)が垂直となるkを求めなさい。

問題3|重心

三角形の頂点が(0,0)、(9,0)、(0,15)です。重心の座標を求めなさい。

問題4|空間の直線

点A=(4,5,1)を通り方向ベクトル(1,2,−1)をもつ直線を媒介変数tで表しなさい。

問題5|球面の方程式

空間で中心A=(5,5,1)、半径10の球面の方程式を求めなさい。

解答・解説

解答1|成分と演算

各成分を2倍し、対応する成分を引きます。

\[ \boxed{(15,16)} \]

解答2|垂直条件

内積ab+bk=0を解きます。b>0なので割ることができます。

\[ \boxed{k=-2} \]

解答3|重心

3頂点の位置ベクトルを足して3で割ります。

\[ \boxed{(3,5)} \]

解答4|空間の直線

基準点の位置ベクトルに、方向ベクトルの実数倍を加えます。

\[ \boxed{(x,y,z)=(4+t,5+2t,1-t)\quad(t\in\mathbb R)} \]

解答5|球面の方程式

中心からの距離が一定という定義を、空間の3成分を用いて平方にします。

\[ \boxed{(x-5)^2+(y-5)^2+(z-1)^2=100} \]

まとめ

ベクトルでは、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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