数学I|図形と計量 教材

要約

図形と計量を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 三角比の定義

直角三角形の鋭角を基準に対辺・隣辺・斜辺を決めます。sinは対辺/斜辺、cosは隣辺/斜辺、tanは対辺/隣辺です。相似な三角形では辺の比が同じなので、角だけで値が決まります。

\[ \sin^2\theta+\cos^2\theta=1,\quad\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\quad(\cos\theta\ne0) \]

2. 鈍角への拡張

座標で定義すると0°から180°へ拡張できます。第2象限では横座標が負なのでcosとtanが負、sinは正です。sinが同じ角が2つある場合も、三角形の内角の和で候補を確かめます。

\[ \sin(180^\circ-\theta)=\sin\theta,\quad\cos(180^\circ-\theta)=-\cos\theta \]

3. 正弦定理・余弦定理

辺とその対角を必ず対応させます。1辺と対角の情報、外接円なら正弦定理、2辺と挟む角または3辺なら余弦定理が便利です。長さは正の平方根を取ります。

\[ \frac a{\sin A}=\frac b{\sin B}=\frac c{\sin C}=2R,\quad a^2=b^2+c^2-2bc\cos A \]

4. 面積と空間図形

2辺と挟む角で面積を求められます。3辺が分かる場合はヘロンの公式も使えます。空間では断面の直角三角形を見つけ、水平距離・高さ・斜辺を区別して、三角比や体積の公式へつなげます。

\[ S=\frac12bc\sin A=rs,\quad S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)},\quad s=\frac{a+b+c}2 \]

5. 例題と解き方

例題1|直角三角形の三角比

辺の比が3:4:5の直角三角形を2倍します。長さ6の辺の対角θのsin、cos、tanを求めなさい。

対辺・隣辺・斜辺は3a・4a・5a。共通の倍率は約分で消えます。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac35,\quad\cos\theta=\frac45,\quad\tan\theta=\frac34} \]

例題2|三角比の相互関係

θは鋭角、\(\sin\theta=\frac{2}{\sqrt{5}}\)です。cosθとtanθを求めなさい。

sin²θ+cos²θ=1を使い、鋭角なのでcosθの正の平方根を取ります。tanθ=sinθ/cosθです。

\[ \boxed{\cos\theta=\frac{\sqrt{5}}{5},\quad\tan\theta=2} \]

例題3|鈍角への拡張

辺の比が2:1:√5の直角三角形で、aに対応する辺の対角をαとします。θ=180°−αのsin、cos、tanを求めなさい。

第2象限ではsinは正、cosとtanは負です。sin(180°−α)=sinαを使います。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac{2\sqrt{5}}{5},\ \cos\theta=-\frac{\sqrt{5}}{5},\ \tan\theta=-2} \]

例題4|正弦定理

三角形ABCでA=30°、辺a=2。外接円の半径Rを求めなさい。

a/sin A=2Rにsin30°=1/2を代入すると2a=2Rです。

\[ \boxed{R=2} \]

例題5|余弦定理

三角形ABCでb=2、c=1、A=60°。辺a(角Aの対辺)の長さを求めなさい。

辺aは角Aの対辺です。a²=b²+c²−2bc cos60°で求めます。

\[ \boxed{\sqrt{3}} \]

例題6|三角形の面積

2辺の長さが2cm、1cm、その間の角が60°の三角形の面積を求めなさい。

S=(1/2)bc sin Aにsin60°=√3/2を代入します。

\[ \boxed{\frac{1}{2}\sqrt3\text{cm}^2} \]

例題7|ヘロンの公式

3辺が6cm、8cm、10cmの三角形の面積を、ヘロンの公式で求めなさい。

半周長s=12。√(s(s−3a)(s−4a)(s−5a))=6a²です。直角三角形の面積とも一致します。

\[ \boxed{24\text{cm}^2} \]

例題8|高さの測定

塔から水平に20m離れた地点で、地面から塔の頂点への仰角が30°です。塔の高さを求めなさい。

高さ÷水平距離=tan30°=1/√3。分母を有理化して答えます。

\[ \boxed{\frac{20}{3}\sqrt3\text{m}} \]

例題9|空間図形の計量

底面が1辺2cmの正方形で、頂点から底面の中心までの高さが1cmの正四角錐があります。体積と頂点から底面の頂点までの距離を求めなさい。

体積は底面積×高さ÷3。底面中心から頂点までa/√2なので、高さとの直角三角形で斜辺を求めます。

\[ \boxed{V=\frac{4}{3}\text{cm}^3,\quad\sqrt{3}\text{cm}} \]

例題10|正弦定理のあいまいな場合

三角形ABCでA=30°、a=2、b=2√3。考えられる角Bをすべて求めなさい。

正弦定理からsin B=√3/2。B=60°、120°のいずれもA+B<180°を満たします。

\[ \boxed{B=60^\circ,\ 120^\circ} \]

例題11|余弦定理から角を求める

三角形ABCでb=c=2、a=2√2。角Aを求めなさい。

cos A=(b²+c²−a²)/(2bc)=0で、0°<A<180°からA=90°です。

\[ \boxed{A=90^\circ} \]

例題12|面積と内接円

3辺が6cm、8cm、10cmの三角形の内接円の半径を求めなさい。

面積S=24、半周長s=12。S=rsよりr=S/s=2です。

\[ \boxed{r=2\text{cm}} \]

6. よくある間違いと解く順序

辺名aと数値の区別、鈍角での符号、角の候補、面積と体積の単位を確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|直角三角形の三角比

辺の比が3:4:5の直角三角形を8倍します。長さ24の辺の対角θのsin、cos、tanを求めなさい。

問題2|正弦定理

三角形ABCでA=30°、辺a=2。外接円の半径Rを求めなさい。

問題3|ヘロンの公式

3辺が9cm、12cm、15cmの三角形の面積を、ヘロンの公式で求めなさい。

問題4|正弦定理のあいまいな場合

三角形ABCでA=30°、a=4、b=4√3。考えられる角Bをすべて求めなさい。

問題5|直角三角形の三角比

辺の比が3:4:5の直角三角形を5倍します。長さ15の辺の対角θのsin、cos、tanを求めなさい。

解答・解説

解答1|直角三角形の三角比

対辺・隣辺・斜辺は3a・4a・5a。共通の倍率は約分で消えます。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac35,\quad\cos\theta=\frac45,\quad\tan\theta=\frac34} \]

解答2|正弦定理

a/sin A=2Rにsin30°=1/2を代入すると2a=2Rです。

\[ \boxed{R=2} \]

解答3|ヘロンの公式

半周長s=18。√(s(s−3a)(s−4a)(s−5a))=6a²です。直角三角形の面積とも一致します。

\[ \boxed{54\text{cm}^2} \]

解答4|正弦定理のあいまいな場合

正弦定理からsin B=√3/2。B=60°、120°のいずれもA+B<180°を満たします。

\[ \boxed{B=60^\circ,\ 120^\circ} \]

解答5|直角三角形の三角比

対辺・隣辺・斜辺は3a・4a・5a。共通の倍率は約分で消えます。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac35,\quad\cos\theta=\frac45,\quad\tan\theta=\frac34} \]

まとめ

図形と計量では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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