数学A|図形の性質 教材

要約

図形の性質を、基本事項と例題で学び、確認問題と50回のドリルで定着させます。


1. 三角形の中心

内心は内角二等分線の交点で3辺から等距離、外心は垂直二等分線の交点で3頂点から等距離です。重心は中線の交点で中線を2:1に内分し、垂心は高さの交点です。中心ごとに何が交わるかを区別します。

\[ AG:GD=2:1,\quad\angle BIC=90^\circ+\frac A2 \]

2. 円と接線

同じ弧に対する円周角は等しく、中心角の半分です。接弦定理では接線と弦の角を対応する円周角に読み替えます。半径は接点で接線と垂直です。

\[ \angle APB=\frac12\angle AOB\quad\text{(同じ弧に対応)} \]

3. 方べきとその逆

交わる弦や割線、接線では距離の積が等しくなります。逆を使うときは交点が線分内か外かなど配置を確認します。積が等しいだけの式と、図形として成立する条件を両方示します。

\[ PA\cdot PB=PC\cdot PD,\quad PT^2=PA\cdot PB \]

4. 比の定理

内角二等分線は対辺を隣接2辺の比へ分けます。チェバは3直線の共点、メネラウスは3点の共線を判定します。長さの比を使うときは、延長上の点があることも明記します。

\[ \frac{BD}{DC}\frac{CE}{EA}\frac{AF}{FB}=1\quad\text{(対応する配置で)} \]

5. 作図と空間図形

作図では等距離、垂直、二等分などの条件を利用し、手順だけでなくその根拠を説明します。空間の2直線には交わる・平行・ねじれの位置があります。凸多面体では頂点・辺・面の数に関係があります。

\[ V-E+F=2\quad\text{(凸多面体)} \]

6. 例題と解き方

例題1|三角形の重心

三角形ABCの中線ADの長さが6cmです。重心GについてAGとGDを求めなさい。

重心は中線を頂点側から2:1に内分します。

\[ \boxed{AG=4\text{cm},\quad GD=2\text{cm}} \]

例題2|内心と角

三角形ABCでA=45°、内心Iです。角BICを求めなさい。

内角の二等分線を用いると、∠BIC=90°+A/2になります。

\[ \boxed{\frac{225}{2}^\circ} \]

例題3|外心

斜辺が4cmの直角三角形の外心の位置と外接円半径を求めなさい。

直角に対する円周角の定理より斜辺が直径です。外心はその中点にあります。

\[ \boxed{\text{斜辺の中点},\quad R=2\text{cm}} \]

例題4|垂心

直角三角形ABCでA=90°、AB=2、AC=1です。垂心はどの点か、理由を添えなさい。

BからACへの高さはBA、CからABへの高さはCAです。両者の交点Aが垂心です。

\[ \boxed{A} \]

例題5|角の二等分線

三角形ABCでAB=2、AC=1、BC=2。Aの内角二等分線とBCの交点DについてBD、DCを求めなさい。

角の二等分線の定理BD:DC=AB:ACを使い、和がBCとなるように配分します。

\[ \boxed{BD=\frac{4}{3},\quad DC=\frac{2}{3}} \]

例題6|円周角

同じ弧に対する中心角が50°です。反対側の弧上にある点を頂点とする円周角を求めなさい。

同じ弧に対する円周角は中心角の半分です。

\[ \boxed{25^\circ} \]

例題7|接弦定理

円の弦ABとAでの接線のなす角が35°です。同じ弦ABに対しその角と等しくなる側の円周角を求めなさい。

接弦定理で、接線と弦のなす角は対応する円周角に等しくなります。

\[ \boxed{35^\circ} \]

例題8|方べき:交わる弦

円内で弦ABとCDがPで交わり、PA=2、PB=1、PC=1です。PDを求めなさい。

方べきの定理PA×PB=PC×PDから求めます。

\[ \boxed{2} \]

例題9|方べき:接線と割線

円外の点Pから引いた割線がA、Bとこの順に交わり、PA=2、PB=8です。接線PTの長さを求めなさい。

PT²=PA×PBより正の平方根を取ります。PA<PBで、P,A,Bの順序条件も満たします。

\[ \boxed{4} \]

例題10|方べきの逆

2直線がPで交わり、Pは線分AB、CDの内部にあります。PA=2、PB=1、PC=1、PD=2のとき、4点A,B,C,Dは同一円周上にありますか。

PA×PB=PC×PD=abcで、各線分内の交点という配置条件もあるので方べきの逆を適用できます。

\[ \boxed{\text{同一円周上にある}} \]

例題11|チェバの定理

三角形ABCの辺BC、CA、AB上のD,E,FについてBD/DC=2、CE/EA=1です。AD,BE,CFが一点で交わるときAF/FBを求めなさい。

チェバの定理で3つの比の積が1になります。辺を巡る向きをそろえます。

\[ \boxed{\frac{1}{2}} \]

例題12|メネラウスの定理

三角形ABCでDはBC上、EはCA上、FはABの延長上にあり、D,E,Fは一直線上です。BD/DC=2、CE/EA=1のとき、長さの比AF/FBを求めなさい。

メネラウスの定理で、長さを使った3つの比の積は1です。FはA側の延長上となり、比は1未満でも成立します。

\[ \boxed{\frac{1}{2}} \]

例題13|作図:垂直二等分線

線分ABの長さが4cmです。A,Bを中心に半径3cmの円を描く方法で垂直二等分線を作図する手順と根拠を書きなさい。

半径がABの半分より大きいので交点が2つできます。両交点はAとBから等距離で、その直線が垂直二等分線です。

\[ \boxed{\text{2円の交点を結ぶ直線}} \]

例題14|空間:ねじれの位置

1辺2の立方体ABCD–EFGHでAE,BF,CG,DHが対応する縦辺です。辺ABと辺CGの位置関係を答えなさい。

ABとCGは交わらず平行でもありません。同一平面上にない2直線です。

\[ \boxed{\text{ねじれの位置}} \]

例題15|空間:オイラーの関係

凸多面体の頂点数が6、面数が5です。オイラーの関係が成り立つとき辺数を求めなさい。

V−E+F=2をE=V+F−2に変形して代入します。条件付きの計算で、任意のV,Fに対応する多面体の存在までは主張しません。

\[ \boxed{9} \]

7. よくある間違いと解く順序

中心の名称、比を巡る向き、延長の配置、方べきで用いる距離の始点を確認します。

条件と求めるものを整理し、使う公式を選び、計算後に元の条件を満たすか確かめます。証明では理由も書きます。

確認問題

例題を隠して解き、途中式と判断の理由を書きましょう。

問題1|三角形の重心

三角形ABCの中線ADの長さが24cmです。重心GについてAGとGDを求めなさい。

問題2|垂心

直角三角形ABCでA=90°、AB=2、AC=5です。垂心はどの点か、理由を添えなさい。

問題3|接弦定理

円の弦ABとAでの接線のなす角が55°です。同じ弦ABに対しその角と等しくなる側の円周角を求めなさい。

問題4|方べきの逆

2直線がPで交わり、Pは線分AB、CDの内部にあります。PA=4、PB=5、PC=5、PD=4のとき、4点A,B,C,Dは同一円周上にありますか。

問題5|作図:垂直二等分線

線分ABの長さが10cmです。A,Bを中心に半径6cmの円を描く方法で垂直二等分線を作図する手順と根拠を書きなさい。

解答・解説

解答1|三角形の重心

重心は中線を頂点側から2:1に内分します。

\[ \boxed{AG=16\text{cm},\quad GD=8\text{cm}} \]

解答2|垂心

BからACへの高さはBA、CからABへの高さはCAです。両者の交点Aが垂心です。

\[ \boxed{A} \]

解答3|接弦定理

接弦定理で、接線と弦のなす角は対応する円周角に等しくなります。

\[ \boxed{55^\circ} \]

解答4|方べきの逆

PA×PB=PC×PD=abcで、各線分内の交点という配置条件もあるので方べきの逆を適用できます。

\[ \boxed{\text{同一円周上にある}} \]

解答5|作図:垂直二等分線

半径がABの半分より大きいので交点が2つできます。両交点はAとBから等距離で、その直線が垂直二等分線です。

\[ \boxed{\text{2円の交点を結ぶ直線}} \]

まとめ

図形の性質では、条件を整理して計算や証明の方法を選びます。間違えた知識ポイントを本文で復習してから、対応するドリルを解き直しましょう。

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