二次不等式の証明 | 教材(レベル5)
要約
発展レベルでは、2文字以上の二次式や文字定数を含む二次不等式を扱う。式を平方の和に変形し、等号成立条件まで整理する。
関連ドリル:
1. 2文字の二次不等式
任意の実数 x, y について、
\[
x^2+y^2\ge 2xy
\]
を証明する。
左辺から右辺を引く。
\[
x^2+y^2-2xy=(x-y)^2
\]
ここで、
\[
(x-y)^2\ge 0
\]
である。
したがって、
\[
x^2+y^2\ge 2xy
\]
が成り立つ。
等号は x=y のときに成り立つ。
2. 平方の和にする例
任意の実数 x, y, z について、
\[
x^2+y^2+z^2\ge xy+yz+zx
\]
を証明する。
左辺から右辺を引く。
\[
x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx
\]
次の形に変形する。
\[
x^2+y^2+z^2-xy-yz-zx =\frac12\{(x-y)^2+(y-z)^2+(z-x)^2\}
\]
平方の和は 0 以上なので、
\[
\frac12\{(x-y)^2+(y-z)^2+(z-x)^2\}\ge 0
\]
である。
よって、
\[
x^2+y^2+z^2\ge xy+yz+zx
\]
が成り立つ。
3. 文字定数を含む例
a>0 のとき、
\[
ax^2+2ax+a\ge 0
\]
を証明する。
左辺を平方完成する。
\[
ax^2+2ax+a=a(x^2+2x+1)=a(x+1)^2
\]
ここで、
\[
a>0,\quad (x+1)^2\ge 0
\]
なので、
\[
a(x+1)^2\ge 0
\]
である。
4. よくあるまちがい
- 2文字以上の式で、平方の和の係数を忘れる
- 等号成立条件を 1つだけ見て終わる
- 文字定数の符号を確認しない
5. 確認問題
任意の実数 x, y について、次の不等式を証明し、等号成立条件を答えなさい。
\[
2x^2+2y^2\ge (x+y)^2
\]
6. 解答
左辺から右辺を引く。
\[
2x^2+2y^2-(x+y)^2 =2x^2+2y^2-x^2-2xy-y^2
\]
\[
=x^2-2xy+y^2 =(x-y)^2
\]
ここで、
\[
(x-y)^2\ge 0
\]
である。
したがって、
\[
2x^2+2y^2\ge (x+y)^2
\]
が成り立つ。
等号は
\[
x-y=0
\]
つまり x=y のときに成り立つ。
7. まとめ
発展的な二次不等式では、平方の和へ変形することが多い。すべての平方が 0 になる条件を調べると、等号成立条件も分かる。