二次不等式の証明 | 教材(レベル2)
要約
二次不等式の証明では、左辺から右辺を引いて二次式を作り、平方完成で符号を判断する。平方の形に直して「0 以上」「0 より大きい」を示すと、すべての実数で成り立つ不等式を証明できる。
関連ドリル:
1. 基本
二次不等式
\[
x^2-4x+5>0
\]
を証明する。
左辺を平方完成する。
\[
x^2-4x+5=(x-2)^2+1
\]
ここで、
\[
(x-2)^2\ge 0
\]
なので、
\[
(x-2)^2+1\ge 1
\]
である。
したがって、
\[
x^2-4x+5>0
\]
がすべての実数 x について成り立つ。
2. 大切なポイント
二次不等式の証明では、まず左辺から右辺を引く。次に、できた二次式を平方完成する。
平方部分の符号を使って差が 0 以上または 0 より大きいことを示し、最後に証明したい不等式へ戻す。
特に、
\[
(x-a)^2\ge 0
\]
を使える形にすることが目標である。
3. 係数が 1 ではない例
次の不等式を証明する。
\[
2x^2+8x+11\ge 3
\]
左辺から右辺を引く。
\[
2x^2+8x+11-3=2x^2+8x+8
\]
平方完成する。
\[
2x^2+8x+8=2(x^2+4x+4)=2(x+2)^2
\]
ここで、
\[
(x+2)^2\ge 0
\]
であり、
\[
2>0
\]
なので、
\[
2(x+2)^2\ge 0
\]
である。
したがって、
\[
2x^2+8x+11\ge 3
\]
が成り立つ。
4. 負の二次式の例
次の不等式を証明する。
\[
-x^2+6x-10<0
\]
左辺を整理する。
\[
-x^2+6x-10=-(x^2-6x+10)
\]
かっこの中を平方完成する。
\[
x^2-6x+10=(x-3)^2+1
\]
したがって、
\[
-x^2+6x-10=-\{(x-3)^2+1\}
\]
ここで、
\[
(x-3)^2+1>0
\]
なので、
\[
-\{(x-3)^2+1\}<0
\]
である。
よって、
\[
-x^2+6x-10<0
\]
が成り立つ。
5. 判別式とのつながり
二次式
\[
ax^2+bx+c
\]
について、a>0 かつ判別式 D<0 なら、その二次式はすべての実数で正になる。
これは、グラフが上に開き、x 軸と交わらないからである。証明では、判別式だけで終わらせず、平方完成で正の形を見せると根拠がはっきりする。
6. よくあるまちがい
- 平方完成の定数を間違える
>0と>=0を混同する- 先頭の係数が負のときに、符号を反転して考えない
- 判別式だけを書いて、なぜ正になるのかを説明しない
7. 確認問題
任意の実数 x について、次の不等式を証明しなさい。
\[
x^2+2x+3>0
\]
8. 解答
平方完成する。
\[
x^2+2x+3=(x+1)^2+2
\]
ここで、
\[
(x+1)^2\ge 0
\]
なので、
\[
(x+1)^2+2\ge 2
\]
である。
したがって、
\[
x^2+2x+3>0
\]
が成り立つ。
9. まとめ
二次不等式の証明では、平方完成して「平方の形」と「残る定数」に分ける。平方は 0 以上なので、残る定数が正なら >0、0 なら >=0 が示せる。