不等式の証明 | 教材(レベル1)
要約
不等式を証明するときは、左辺から右辺を引いて 0 以上になることを示す方法が基本である。平方の形に直せば、どんな実数でも 0 以上であることを使って証明できる。
関連ドリル:
1. 基本
不等式
\[
A\ge B
\]
を証明したいときは、
\[
A-B\ge 0
\]
を示せばよい。
左辺と右辺を別々に眺めるより、差をとって 0 以上を示すほうが、式変形の目標がはっきりする。
2. 使う事実
どんな実数 x についても、
\[
x^2\ge 0
\]
である。
また、平方の和も 0 以上である。
\[
x^2+y^2\ge 0
\]
この形にできれば、不等式の証明はかなり進めやすい。
3. 例題
任意の実数 x について、次の不等式を証明する。
\[
x^2+4x+5\ge 1
\]
左辺から右辺を引く。
\[
x^2+4x+5-1 =x^2+4x+4
\]
平方の形に直す。
\[
x^2+4x+4=(x+2)^2
\]
ここで、
\[
(x+2)^2\ge 0
\]
である。
したがって、
\[
x^2+4x+5-1\ge 0
\]
なので、
\[
x^2+4x+5\ge 1
\]
が成り立つ。
4. 等号成立条件
不等式の証明では、等号がいつ成り立つかもよく問われる。
例題では、
\[
(x+2)^2=0
\]
となるときに等号が成り立つ。
平方が 0 になるのは、中身が 0 のときなので、
\[
x+2=0
\]
\[
x=-2
\]
で等号が成り立つ。
5. よくあるまちがい
- 左辺と右辺の差をとる向きを途中で変えてしまう
- 平方完成の符号を間違える
- 「平方だから 0 以上」と説明せずに終わる
- 等号成立条件を書き忘れる
6. 確認問題
任意の実数 x について、次の不等式を証明しなさい。また、等号成立条件を答えなさい。
\[
x^2-6x+10\ge 1
\]
7. 解答
左辺から右辺を引く。
\[
x^2-6x+10-1 =x^2-6x+9
\]
平方の形に直す。
\[
x^2-6x+9=(x-3)^2
\]
ここで、
\[
(x-3)^2\ge 0
\]
である。
したがって、
\[
x^2-6x+10-1\ge 0
\]
なので、
\[
x^2-6x+10\ge 1
\]
が成り立つ。
等号は
\[
x-3=0
\]
つまり
\[
x=3
\]
のときに成り立つ。
8. まとめ
不等式の証明では、まず左辺から右辺を引く。差を平方の形に変形し、0 以上であることを説明すれば、証明として筋が通る。