文字係数の不等式 | 教材(レベル3)
要約
文字をふくむ係数で不等式を解くときは、その係数が正か負か 0 かを確認する。負の数で両辺を割ると不等号の向きが変わり、0 のときは割ってはいけない。
関連ドリル:
1. 基本
不等式
\[
ax>6
\]
を x について解くとき、すぐに
\[
x>\frac{6}{a}
\]
としてはいけない。
なぜなら、a が正か負かで、不等号の向きが変わるからである。
2. 大切なポイント
- 正の数で割ると、不等号の向きは変わらない
- 負の数で割ると、不等号の向きが変わる
- 0 で割ることはできない
- 係数が文字のときは、符号で場合分けする つまり、
aで割る前に\[ a>0,\quad a<0,\quad a=0 \]のどれに当たるかを考える。
3. 例題
a は定数とする。次の不等式を x について解く。
\[
ax>6
\]
a>0 のとき
両辺を正の数 a で割るので、不等号の向きは変わらない。
\[
x>\frac{6}{a}
\]
a<0 のとき
両辺を負の数 a で割るので、不等号の向きが変わる。
\[
x<\frac{6}{a}
\]
a=0 のとき
もとの不等式は
\[
0\cdot x>6
\]
つまり
\[
0>6
\]
となる。これは成り立たないので、解はない。
したがって、答えは次のようにまとめる。
a>0 のとき、
\[
x>\frac{6}{a}
\]
a<0 のとき、
\[
x<\frac{6}{a}
\]
a=0 のとき、解なし。
4. 定数項を移項してから考える例
次の不等式を考える。
\[
ax+2>5
\]
まず、文字係数で割る前に、普通の一次不等式と同じように移項する。
\[
ax>3
\]
ここから a の符号で場合分けする。
a>0 のとき、
\[
x>\frac{3}{a}
\]
a<0 のとき、
\[
x<\frac{3}{a}
\]
a=0 のとき、
\[
2>5
\]
となるので、解なし。
5. よくあるまちがい
aの符号を確認せずに割ってしまうa<0のときに不等号の向きを変え忘れるa=0の場合を忘れるa=0のときに、無理にxの範囲を書こうとする 特に、a=0のときは「もとの式に代入して、成り立つか」を調べる。
6. 確認問題
a は定数とする。次の不等式を x について解きなさい。
\[
ax-4\le 8
\]
7. 解答
まず移項する。
\[
ax\le 12
\]
a>0 のとき、正の数で割るので、
\[
x\le \frac{12}{a}
\]
a<0 のとき、負の数で割るので、
\[
x\ge \frac{12}{a}
\]
a=0 のとき、もとの不等式は
\[
-4\le 8
\]
となり、これはいつでも成り立つ。したがって、すべての実数が解である。
8. まとめ
文字係数の不等式は、文字で割る前に符号を確認する。正ならそのまま、負なら不等号を逆向き、0 なら代入して「解なし」か「すべての実数」かを判断する。