東京大学 前期・文科 数学記述模試 第096回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 三次方程式の実数解の個数(20点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-1323x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(6点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(6点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(8点)


第2問 放物線の接線と囲まれた面積(20点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-441)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(6点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(6点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(20点)

\(21\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(6点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(6点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(20点)

\(0\le a\le21\) とする。\(0\le x\le21\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(6点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(6点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-21)(x+21)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-21\) で極大、\(x=21\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }18522,\quad\text{極小値 }-18522} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-18522<a<18522} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=18522\) では \(f(x)-a=(x-42)(x+21)^2\)。\(a=-18522\) では \(f(x)-a=(x+42)(x-21)^2\)。

\[ \boxed{a=18522:x=-21,42;\quad a=-18522:x=-42,21} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=441\)。

\[ \boxed{y=42x-441,\quad y=-42x-441} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm21,441)\)。底辺の長さは \(42\)、Pから底辺までの高さは \(882\)。

\[ \boxed{18522} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-21)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{21}(x-21)^2\,dx\)。

\[ \boxed{6174} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{21}=18795307255050944540\)。全割当ては \(21!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{72289643288657479}{196503623737344000}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/21\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le21\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{21}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-\frac{441}{2}a+3087} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-\frac{441}{2}\)。定義域内で \(a=21/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=\frac{21}{2}\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{3087}{2}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。