東京大学 前期・文科 数学記述模試 第095回
この回のテストポイント
- 第1問:対数方程式の存在条件
- 第2問:等周条件と三角形の面積
- 第3問:停止する試行と期待値の連立
- 第4問:三項間漸化式と互いに素の証明
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 対数方程式の存在条件(20点)
\(\log_2 x+\log_2(29-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。
(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(6点)
(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(6点)
(3)\(a=\log_2 \frac{2523}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(8点)
第2問 等周条件と三角形の面積(20点)
周の長さが \(174\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。
(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(6点)
(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(6点)
(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)
第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)
表の確率が \(1/29\)、裏の確率が \(28/29\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。
(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)
(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)
(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)
解答・解説
第1問 対数方程式の存在条件
(1)
真数条件は \(0<x<29\)。\(x(29-x)=841/4-(x-29/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,841/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(x(29-x)=\frac{2523}{16}\) を解く。2つの解の和は \(29\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 等周条件と三角形の面積
(1)
\(b=174-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=87(87-a)^2(2a-87)\)。微分すると \((S^2)'=522(87-a)(58-a)\)。存在範囲で \(a=58\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
半周長は \(87\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=87r\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 停止する試行と期待値の連立
(1)
2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(p=1/29,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
1回の表までの平均は \(29\) 回なので合計2回の表までの平均は \(58\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(29\) なので \(a_{n+1}-a_n=29^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(29-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=29a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-29a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。