東京大学 前期・文科 数学記述模試 第097回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)

\(0\le x\le 42\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+441\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)

円 \\(x^2+y^2=441\\) の内部の点 \(Q(\frac{21}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第3問 標本平均と片側検定・必要標本数(20点)

ある母集団の母標準偏差は \(21\) で既知とする。独立な \(1764\) 個の標本の平均は \(\bar x=51\) だった。帰無仮説 \(\mu=50\)、対立仮説 \(\mu>50\) を有意水準5%で検定する。標本平均は正規分布で近似でき、標準正規分布の上側5%点は1.645、両側95%区間には1.96を使う。

(1)標本平均の標準偏差と標準化した検定統計量を求めなさい。(6点)

(2)検定の結論を、対立仮説の向きと有意水準を含めて説明しなさい。(6点)

(3)母平均の95%信頼区間の半幅を0.5以下にする最小の標本数を求めなさい。(8点)


第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(20点)

\(a_1=21,\ a_{n+1}=2a_n+21\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+441-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}441&t\le0\\441-t^2&0<t<42\\2205-84t&t\ge42\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-21\le t\le 21\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le21} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>21\) または \(t<-21\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>21\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(42)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2205-84t\)。

\[ \boxed{21<t\le \frac{105}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{21}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{1323}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{21}{2},\pm \frac{21}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{21}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{441m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{441-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=21\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le21/2\)。面積の2乗は \(d^2(441-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(441-s)\) は \(0\le s\le441/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{441}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{21}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 標本平均と片側検定・必要標本数

(1)

標本平均の標準偏差は

\[ \sigma/\sqrt n=21/\sqrt{1764}=1/2 \]

。\(Z=(51-50)/(1/2)=2\)。

\[ \boxed{\sigma_{\bar X}=\frac12,\quad Z=2} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

対立仮説は平均が大きいという片側。統計量2は上側5%点1.645を超えるため帰無仮説を棄却する。5%水準で母平均が50より大きいと判断する。帰無仮説が誤りである確率が95%という意味ではない。

\[ \boxed{\text{有意水準5\%で棄却する}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半幅は \(1.96\sigma/\sqrt n\)。\(1.96\cdot21/\sqrt n\le0.5\) を解くと \(n\ge(3.92\cdot21)^2\)。標本数は整数なので切り上げる。

\[ \boxed{6777} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+21=2(a_n+21)\) なので \(a_n+21=42\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=21(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=21(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a_j/2^j=21(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{21(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。