高校2・3年生の全学年復習|数学Ⅰ 教材
要約
数と式・集合と命題・二次関数・図形と計量・データの分析を、基本事項と例題で復習します。高校1〜3年の学習内容を科目別に整理したシリーズです。
- 推奨学年:高校2〜3年生
- 前提知識:中学校の因数分解、平方根、一次不等式
- 到達目標:平方完成、命題の判定、三角比、分散と相関の読み取り
- 学習時間の目安:本文45〜60分、確認問題15分
対応ドリル20問 / 全体の学習ガイド
1. 数と式・集合と命題
展開は積を和に、因数分解は和を積に直す操作です。方程式を解くときには因数分解、不等式の最小値を考えるときには平方完成が役立ちます。
集合の共通部分は両方に属する要素、和集合は少なくとも片方に属する要素です。命題「PならばQ」が真なら、PはQの十分条件、QはPの必要条件です。逆も真なら必要十分条件です。
例題:実数 x について「x=2ならばx²=4」は真ですが、逆にはx=−2という反例があります。したがってx=2はx²=4の十分条件であり、必要条件ではありません。
命題を否定するとき、「すべて」は「少なくとも1つは」に変わります。「すべての実数xでx²>0」はx=0によって否定できます。
2. 二次関数と二次不等式
平方完成で頂点を調べ、定義域の端点と頂点で関数の値を比較します。
例題:0≦x≦4で上の式の最小値はx=3で2です。最大値は端点の値11と3を比べ、x=0で11です。頂点が定義域の外なら、区間内の増減で判断します。
二次不等式は、根で数直線を区切って符号を調べます。たとえば(x−1)(x−4)<0は1<x<4です。負の数を掛けたり割ったりすると不等号が逆になります。
3. 図形と計量
三角形ABCで、角Aの向かいの辺BCをa、同様にb、cとします。辺の対応を書き込んでから使う公式を選びます。
Rは外接円の半径です。2辺とその間の角が分かれば、余弦定理で残りの辺、面積公式で面積が求まります。
例題:AB=3、AC=4、角A=60°なら、BC²=9+16−12=13なのでBC=√13、面積は3√3です。
4. データの分析
平均からの差が偏差、偏差の2乗の平均が分散です。標準偏差は分散の正の平方根です。ここではデータの分散なので個数nで割ります。
例題:1、3、5の平均は3、分散は(4+0+4)/3=8/3です。全データに同じ数を足しても分散は変わらず、2倍すると分散は4倍になります。
中央値は小さい順に並べた中央の値です。四分位数は、個数が奇数なら中央値を除いて上下に分け、それぞれの中央値とする方法を本教材では用います。四分位範囲は第3四分位数−第1四分位数です。
相関係数は−1以上1以下で、符号は直線的な傾向の向き、絶対値は強さを表します。強い相関だけでは因果関係を断定できません。
5. 仮説検定の考え方
「差がない」「偏りがない」と仮定して観測結果がどの程度起こりにくいかを考えます。数学Ⅰでは、この考え方を実験やシミュレーションで理解します。
例題:偏りがないとしたシミュレーションを1000回行い、観測結果と同程度以上に極端な結果が18回なら、その割合は1.8%です。事前に決めた5%という基準と比べると、仮定を疑う材料になります。「仮定が正しい確率が1.8%」という意味ではありません。
6. よくある間違いと解く順序
- 二次関数では定義域を先に書き、頂点が含まれるか確かめます。
- 三角形の辺と角の向きを取り違えず、面積には平方の単位を付けます。
- 分散と標準偏差を区別し、相関から原因を決めつけません。
確認問題
例題を隠して解き、理由や途中式も書きましょう。
確認1
\\(x^2+2x-3\\)を因数分解しなさい。
確認2
\(1\le x\le4\)で\(y=(x-2)^2+1\)の最大値・最小値を求めなさい。
確認3
データ2、2、8の平均と分散を求めなさい。
解答・解説
確認1
答え:\((x+3)(x-1)\)
積−3、和2の2数を探します。
確認2
答え:最大値5、最小値1
頂点x=2で1、端点x=1で2、x=4で5です。
確認3
答え:平均4、分散8
平均は12/3=4、分散は(4+4+16)/3=8です。
まとめ
数学Ⅰでは、平方完成、命題の判定、三角比、分散と相関の読み取りを、問題の条件に合わせて使います。確認問題で迷った箇所を読み直してから、対応ドリルへ進みましょう。