高校2・3年生の全学年復習|数学B 教材
要約
数列・数学的帰納法・確率分布・統計的な推測・数学と社会生活を、基本事項と例題で復習します。高校1〜3年の学習内容を科目別に整理したシリーズです。
- 推奨学年:高校2〜3年生
- 前提知識:数学Aの確率・期待値、数学Ⅱの指数、数学Ⅰの分散
- 到達目標:一般項と和、漸化式、帰納法、標準化、信頼区間、仮説検定、モデルの解釈
- 学習時間の目安:本文45〜60分、確認問題15分
対応ドリル20問 / 全体の学習ガイド
1. 等差数列・等比数列と和
等差数列は差が一定、等比数列は比が一定です。初項a、公差d、公比rについて、次の式を使います。
例題:初項3、公差2の第10項は3+9×2=21、最初の10項の和は10(3+21)/2=120です。第n項には差をn−1回足すことに注意します。
和の記号Σでは添字の範囲を確認します。Σk=n(n+1)/2、Σk²=n(n+1)(2n+1)/6を使い、和を項ごとに分けます。
2. 漸化式と数学的帰納法
漸化式は隣り合う項などの関係を表します。aₙ₊₁=2aₙ+3なら、定数−3を基準にずらすと等比数列になります。
例題:a₁=1ならaₙ+3=4・2ⁿ⁻¹、したがってaₙ=2ⁿ⁺¹−3です。
数学的帰納法は、①n=1など最初の場合を示す、②n=kで成り立つと仮定してn=k+1でも成り立つことを示す、という2段階で全自然数へつなぎます。いくつかの数を代入しただけでは証明になりません。
3. 確率分布と標本平均
確率変数の分散はV(X)=E(X²)−{E(X)}²です。独立に成功確率pの試行をn回行い、成功回数をXとすると二項分布に従います。
正規分布N(μ,σ²)ではZ=(X−μ)/σと標準化します。独立な標本n個の平均は、母平均μ、分散σ²/nをもちます。
例題:母標準偏差12、標本数36なら標本平均の標準偏差は12/√36=2です。12/36ではありません。
4. 区間推定と仮説検定
正規母集団から独立に無作為抽出し、母標準偏差σが既知なら、母平均の95%信頼区間を次の式で求めます。
例題:標本平均50、母標準偏差10、n=100なら50±1.96、すなわち[48.04,51.96]です。この方法を何度も繰り返したとき、作られた区間の約95%が固定された母平均を含むという意味です。
帰無仮説μ=μ₀に対する両側検定ではZ=(標本平均−μ₀)/(σ/√n)を計算し、有意水準5%で|Z|>1.96なら棄却します。棄却できなかった場合にも、帰無仮説が正しいと証明されたわけではありません。
母比率の推定では、大きな無作為標本で成功・不成功がともに十分多いとき、標本比率p̂を使った正規近似を用います。
5. 数学と社会生活:モデルをつくり、限界も確かめる
料金、利益、成長を式で表し、条件に合う範囲で比較します。
例題:月額300円と1回20円のプランA、月額なしで1回50円のプランBなら、利用回数xについてA≦Bは300+20x≦50x、つまりx≧10です。回数が整数という条件も確認します。
一定割合で増えるモデルは等比数列で表せます。ただし、実際の人数や売上が際限なく増えると結論してよいわけではありません。モデルの仮定、使える期間、変動要因を考えます。
6. よくある間違いと解く順序
- 一般項のnとn−1を区別し、初項を代入して検算します。
- 標準偏差σと分散σ²を取り違えません。
- 推定・検定では抽出方法と母標準偏差が既知かを先に確認します。
確認問題
例題を隠して解き、理由や途中式も書きましょう。
確認1
初項4、公差−2の等差数列の一般項を求めなさい。
確認2
\(X\sim B(20,0.4)\)の期待値と分散を求めなさい。
確認3
正規母集団の既知の母標準偏差6、独立な無作為標本36個の平均20から、95%信頼区間を1.96を用いて求めなさい。
解答・解説
確認1
答え:\(a_n=6-2n\)
4−2(n−1)を整理します。
確認2
答え:期待値8、分散4.8
20×0.4=8、20×0.4×0.6=4.8です。
確認3
答え:\([18.04,21.96]\)
標準誤差6/√36=1なので20±1.96です。
まとめ
数学Bでは、一般項と和、漸化式、帰納法、標準化、信頼区間、仮説検定、モデルの解釈を、問題の条件に合わせて使います。確認問題で迷った箇所を読み直してから、対応ドリルへ進みましょう。