早稲田大学 基幹・創造・先進理工学部 数学記述模試 第063回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 6\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+9\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第2問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/3\)、裏の確率が \(2/3\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第3問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-9)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(17点)

\(a_1=3,\ a_{n+1}=2a_n+3\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(7点)


第5問 回転軸を変える体積計算(16点)

\(0\le x\le3\) で曲線 \(y=x(3-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(4点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


第6問 双曲線の接線と不変な面積(16点)

第1象限の双曲線 \\(xy=9\\) 上の点 \(P(t,9/t)\)、\(t>0\) を考える。

(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(4点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(4点)

(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+9-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}9&t\le0\\9-t^2&0<t<6\\45-12t&t\ge6\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-3\le t\le 3\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>3\) または \(t<-3\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>3\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(6)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(45-12t\)。

\[ \boxed{3<t\le \frac{15}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{9},\quad P(T=3)=\frac{2}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/3,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{12} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(3\) 回なので合計2回の表までの平均は \(6\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=6,\quad\text{差}=6} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=9\)。

\[ \boxed{y=6x-9,\quad y=-6x-9} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm3,9)\)。底辺の長さは \(6\)、Pから底辺までの高さは \(18\)。

\[ \boxed{54} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-3)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{3}(x-3)^2\,dx\)。

\[ \boxed{18} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+3=2(a_n+3)\) なので \(a_n+3=6\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=3(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=3(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a_j/2^j=3(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{3(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{3}x(3-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{9}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切り口は半径 \(x(3-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{3}x^2(3-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{81}{10}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(0\le y\le9/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(3\pm\sqrt{9-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=3\pi\sqrt{9-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{27}{2}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 双曲線の接線と不変な面積

(1)

\(y=9/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-9/t=-9(x-t)/t^2\)。

\[ \boxed{\frac xt+\frac{yt}{9}=2,\quad(2t,0),(0,18/t)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切片は \(2t\) と \(18/t\)。その積が \(36\) で一定なので、面積も一定となる。

\[ \boxed{18} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

相加相乗平均より \(2t+18/t\ge12\)。等号は \(t=3\) のとき。

\[ \boxed{\min=12,\quad P=(3,3)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。