東京大学 前期・理科 数学記述模試 第084回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 三角関数を二次関数に置き換える(20点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+7\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(6点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(6点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=7\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)


第2問 空間の垂線と四面体(20点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(7,0,0),B(0,14,0),C(0,0,21) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(6点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(6点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(20点)

\(7\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(6点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(6点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第4問 重解を使う三次曲線の面積(20点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-147x\) の \(x=7\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(6点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(6点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(8点)


第5問 対数の評価と部分積分(20点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le7\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(6点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(6点)

(3)

\[ \int_1^{7}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(8点)


第6問 複素数の回転と正三角形(20点)

複素数平面で \(A=7,B=7i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。

(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(6点)

(2)正三角形の面積を求めなさい。(6点)

(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=7+t-14t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=7+\frac1{56}-14(t-\frac1{28})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=7\)、\(f(1)=-6\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{393}{56}\ (\sin\theta=\frac1{28}),\quad\min f=-6\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-14t^2=0\) の解は0と \(1/14\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{14}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=42} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=42\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{36}{7},\frac{18}{7},\frac{12}{7}),\quad OH=6} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(49\)、Cからこの底面までの高さは \(21\) なので体積は \(343\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{\frac{343}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{7}=1854\)。全割当ては \(7!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{103}{280}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/7\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(7)=0\) なので \(l:y=-686\)。差は \((x-7)^2(x+14)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-14,-686),\quad(7,-686)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-14,7]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-14}^{7}(x^3-147x+686)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-\frac{147}{2}x^2+686x\\)。

\[ \boxed{\frac{64827}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{7}(f(x)+686)\,dx=\frac{7203}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<7\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log7+1}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 複素数の回転と正三角形

(1)

\[ C-A=(B-A)(\cos(\pi/3)\pm i\sin(\pi/3)) \]

。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。

\[ \boxed{C=\frac{7}{2}(1\pm\sqrt3)(1+i)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|B-A|=7\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。

\[ \boxed{S=\frac{49}{2}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。

\[ \boxed{O_\pm=\frac{7}{6}(3\pm\sqrt3)(1+i),\quad R=\frac{7}{3}\sqrt{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。