東京大学 前期・理科 数学記述模試 第083回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 整数条件を積に直す(20点)

正の整数 \(x,y\) が \\(xy+7x+7y=147\\) を満たす。

(1)左辺に適当な数を加え、2つの整数の積として表しなさい。(6点)

(2)条件を満たすすべての組を、ただし同時に交換した組は同一とし、小さい成分を先に書いて求めなさい。(6点)

(3)順序を区別する組の個数を求めなさい。(8点)


第2問 線分上の点と内積・最大最小(20点)

\(O(0,0),B(14,0),C(0,7)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(6点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(6点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(8点)


第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)

表の確率が \(1/7\)、裏の確率が \(6/7\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)

\[ a_1=1,\ a_2=8,\ a_{n+2}=8a_{n+1}-7a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


第5問 指数関数の最大値と積分の極限(20点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-7x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(6点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(6点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(8点)


第6問 双曲線の接線と不変な面積(20点)

第1象限の双曲線 \\(xy=49\\) 上の点 \(P(t,49/t)\)、\(t>0\) を考える。

(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(6点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(6点)

(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 整数条件を積に直す

(1)

両辺に \(49\) を加えると \((x+7)(y+7)=196\)。

\[ \boxed{(x+7)(y+7)=196} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(x\le y\) とおくと \(d=x+7\) は \(7<d\le 14\) を満たす \(196\) の約数。\(y=196/d-7\) を計算して漏れなく列挙する。

\[ \boxed{(7,7)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問は1組であり、対角の組は \((7,7)\) の1組だけ。それ以外は交換した組も数える。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(14(1-t),7t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ OP^2=49(5t^2-8t+4)=549(t-4/5)^2+449/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-14,7)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{14}{5},\frac{28}{5}),\quad\min OP=\frac{14}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

長方形の面積は

\[ 98t(1-t)=\frac{49}{2}-98(t-1/2)^2 \]

。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=\frac{49}{2},\quad P=(7,\frac{7}{2})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{49},\quad P(T=3)=\frac{6}{343}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/7,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{56} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(7\) 回なので合計2回の表までの平均は \(14\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=14,\quad\text{差}=42} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=7(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(7\) なので \(a_{n+1}-a_n=7^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{7^n-1}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(7-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{7(7^n-1)-6n}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=7a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-7a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-7x}(1-7x)\)。指数因子は正なので \(x=1/7\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{7},\quad\max f=\frac1{7e}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{7x+1}{49}e^{-7x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(7a+1)e^{-7a}}{49}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(e^{-7a}\) と \(ae^{-7a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{49}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 双曲線の接線と不変な面積

(1)

\(y=49/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-49/t=-49(x-t)/t^2\)。

\[ \boxed{\frac xt+\frac{yt}{49}=2,\quad(2t,0),(0,98/t)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(2t\) と \(98/t\)。その積が \(196\) で一定なので、面積も一定となる。

\[ \boxed{98} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

相加相乗平均より \(2t+98/t\ge28\)。等号は \(t=7\) のとき。

\[ \boxed{\min=28,\quad P=(7,7)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。