東京大学 前期・理科 数学記述模試 第006回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 三次方程式の実数解の個数(20点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-588x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(6点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(6点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(8点)


第2問 放物線の接線と囲まれた面積(20点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-196)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(6点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(6点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第3問 反射による経路の数え上げ(20点)

数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(28\) 回動かす。

(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(6点)

(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(6点)

(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(8点)


第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(20点)

\(a_1=14,\ a_{n+1}=2a_n+14\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(8点)


第5問 指数関数の最大値と積分の極限(20点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-14x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(6点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(6点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(8点)


第6問 1の累乗根と積・距離の和(20点)

方程式 \(z^14=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{13}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(6点)

(2)\(\sum_{j=0}^{13}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(6点)

(3)\(\prod_{j=1}^{13}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-14)(x+14)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-14\) で極大、\(x=14\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }5488,\quad\text{極小値 }-5488} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-5488<a<5488} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=5488\) では \(f(x)-a=(x-28)(x+14)^2\)。\(a=-5488\) では \(f(x)-a=(x+28)(x-14)^2\)。

\[ \boxed{a=5488:x=-14,28;\quad a=-5488:x=-28,14} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=196\)。

\[ \boxed{y=28x-196,\quad y=-28x-196} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm14,196)\)。底辺の長さは \(28\)、Pから底辺までの高さは \(392\)。

\[ \boxed{5488} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-14)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{14}(x-14)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{5488}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 反射による経路の数え上げ

(1)

右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(14\) 回。右への移動の位置を選ぶ。

\[ \boxed{40116600} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(15\) 回、左が \(13\) 回なので \(\binom{28}{13}\) 個。全体から差し引く。

\[ \boxed{2674440} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{28}{14}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/15\)。

\[ \boxed{\frac{1}{15}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+14=2(a_n+14)\) なので \(a_n+14=28\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=14(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=14(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a_j/2^j=14(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{14(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-14x}(1-14x)\)。指数因子は正なので \(x=1/14\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{14},\quad\max f=\frac1{14e}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{14x+1}{196}e^{-14x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(14a+1)e^{-14a}}{196}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(e^{-14a}\) と \(ae^{-14a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{196}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(14\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{13}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{14}+i\sin\frac{2\pi j}{14},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{28} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^14-1=(z-1)\prod_{j=1}^{13}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{13}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{14} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。