東京大学 前期・文科 数学記述模試 第100回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 対数方程式の存在条件(20点)

\(\log_2 x+\log_2(21-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(6点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(6点)

(3)\(a=\log_2 \frac{1323}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(8点)


第2問 等周条件と三角形の面積(20点)

周の長さが \(126\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(6点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(6点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)


第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)

表の確率が \(1/21\)、裏の確率が \(20/21\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第4問 重解を使う三次曲線の面積(20点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-1323x\) の \(x=21\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(6点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(6点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<21\)。\(x(21-x)=441/4-(x-21/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,441/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<21,\quad a\le\log_2 \frac{441}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 \frac{441}{4}:2\text{個};\quad a=\log_2 \frac{441}{4}:1\text{個};\quad a>\log_2 \frac{441}{4}:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(21-x)=\frac{1323}{16}\) を解く。2つの解の和は \(21\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{21}{4},\ \frac{63}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=126-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=126-2a,\quad \frac{63}{2}<a<63} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=63(63-a)^2(2a-63)\)。微分すると \((S^2)'=378(63-a)(42-a)\)。存在範囲で \(a=42\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=42,\quad S_{\max}=441\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(63\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=63r\)。

\[ \boxed{r=7\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{441},\quad P(T=3)=\frac{20}{9261}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/21,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{462} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(21\) 回なので合計2回の表までの平均は \(42\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=42,\quad\text{差}=420} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(21)=0\) なので \(l:y=-18522\)。差は \((x-21)^2(x+42)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-42,-18522),\quad(21,-18522)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-42,21]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-42}^{21}(x^3-1323x+18522)\,dx \]

。原始関数は

\[ x^4/4-\frac{1323}{2}x^2+18522x \]

。

\[ \boxed{\frac{5250987}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{21}(f(x)+18522)\,dx=\frac{583443}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。