東京大学 前期・文科 数学記述模試 第099回
この回のテストポイント
- 第1問:三角関数を二次関数に置き換える
- 第2問:空間の垂線と四面体
- 第3問:抽出方法と条件付き確率
- 第4問:三項間漸化式と互いに素の証明
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 三角関数を二次関数に置き換える(20点)
\(0\le\theta\le\pi/2\) で
とする。
(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(6点)
(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(6点)
(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=21\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)
第2問 空間の垂線と四面体(20点)
空間で
を考える。
(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(6点)
(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(6点)
(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)
第3問 抽出方法と条件付き確率(20点)
袋に赤玉 \(21\) 個、青玉 \(42\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。
(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(6点)
(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(6点)
(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)
解答・解説
第1問 三角関数を二次関数に置き換える
(1)
\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
平方完成より
。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=21\)、\(f(1)=-20\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(t-42t^2=0\) の解は0と \(1/42\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 空間の垂線と四面体
(1)
平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=126\)。距離は \(7s\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
底面OABの面積は \(441\)、Cからこの底面までの高さは \(63\) なので体積は \(9261\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 抽出方法と条件付き確率
(1)
最初の赤の確率は1/3、2個目は \((21-1)/(63-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{42(42-1)}{63(63-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(21-1)<105-1\) を用いる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(21\) なので \(a_{n+1}-a_n=21^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(21-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=21a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-21a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。