東京大学 前期・文科 数学記述模試 第049回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 三角関数を二次関数に置き換える(20点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+12\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(6点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(6点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=12\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)


第2問 空間の垂線と四面体(20点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(12,0,0),B(0,24,0),C(0,0,36) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(6点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(6点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


第3問 標本平均と片側検定・必要標本数(20点)

ある母集団の母標準偏差は \(12\) で既知とする。独立な \(576\) 個の標本の平均は \(\bar x=51\) だった。帰無仮説 \(\mu=50\)、対立仮説 \(\mu>50\) を有意水準5%で検定する。標本平均は正規分布で近似でき、標準正規分布の上側5%点は1.645、両側95%区間には1.96を使う。

(1)標本平均の標準偏差と標準化した検定統計量を求めなさい。(6点)

(2)検定の結論を、対立仮説の向きと有意水準を含めて説明しなさい。(6点)

(3)母平均の95%信頼区間の半幅を0.5以下にする最小の標本数を求めなさい。(8点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)

\[ a_1=1,\ a_2=13,\ a_{n+2}=13a_{n+1}-12a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=12+t-24t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=12+\frac1{96}-24(t-\frac1{48})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=12\)、\(f(1)=-11\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{1153}{96}\ (\sin\theta=\frac1{48}),\quad\min f=-11\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-24t^2=0\) の解は0と \(1/24\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{24}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=72} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=72\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{432}{49},\frac{216}{49},\frac{144}{49}),\quad OH=\frac{72}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(144\)、Cからこの底面までの高さは \(36\) なので体積は \(1728\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{504} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 標本平均と片側検定・必要標本数

(1)

標本平均の標準偏差は

\[ \sigma/\sqrt n=12/\sqrt{576}=1/2 \]

。\(Z=(51-50)/(1/2)=2\)。

\[ \boxed{\sigma_{\bar X}=\frac12,\quad Z=2} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

対立仮説は平均が大きいという片側。統計量2は上側5%点1.645を超えるため帰無仮説を棄却する。5%水準で母平均が50より大きいと判断する。帰無仮説が誤りである確率が95%という意味ではない。

\[ \boxed{\text{有意水準5\%で棄却する}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半幅は \(1.96\sigma/\sqrt n\)。\(1.96\cdot12/\sqrt n\le0.5\) を解くと \(n\ge(3.92\cdot12)^2\)。標本数は整数なので切り上げる。

\[ \boxed{2213} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=12(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(12\) なので \(a_{n+1}-a_n=12^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{12^n-1}{11}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(12-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{12(12^n-1)-11n}{121}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=12a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-12a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。