東京大学 前期・文科 数学記述模試 第048回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 整数条件を積に直す(20点)

正の整数 \(x,y\) が \\(xy+12x+12y=432\\) を満たす。

(1)左辺に適当な数を加え、2つの整数の積として表しなさい。(6点)

(2)条件を満たすすべての組を、ただし同時に交換した組は同一とし、小さい成分を先に書いて求めなさい。(6点)

(3)順序を区別する組の個数を求めなさい。(8点)


第2問 線分上の点と内積・最大最小(20点)

\(O(0,0),B(24,0),C(0,12)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(6点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(6点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(8点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(20点)

\(12\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(6点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(6点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第4問 逆数で線形化し差を足す(20点)

\[ a_1=1/12,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(6点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(6点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 整数条件を積に直す

(1)

両辺に \(144\) を加えると \((x+12)(y+12)=576\)。

\[ \boxed{(x+12)(y+12)=576} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(x\le y\) とおくと \(d=x+12\) は \(12<d\le 24\) を満たす \(576\) の約数。\(y=576/d-12\) を計算して漏れなく列挙する。

\[ \boxed{(4,24),\;(6,20),\;(12,12)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問は3組であり、対角の組は \((12,12)\) の1組だけ。それ以外は交換した組も数える。

\[ \boxed{5} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(24(1-t),12t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ OP^2=144(5t^2-8t+4)=5144(t-4/5)^2+4144/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-24,12)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{24}{5},\frac{48}{5}),\quad\min OP=\frac{24}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

長方形の面積は \(288t(1-t)=72-288(t-1/2)^2\)。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=72,\quad P=(12,6)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{12}=176214841\)。全割当ては \(12!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{16019531}{43545600}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/12\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+11}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{12}-\frac1{n+12}=\frac{n}{12(n+12)}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+12}{12}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。