東京大学 前期・文科 数学記述模試 第032回
この回のテストポイント
- 第1問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第2問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第3問:停止する試行と期待値の連立
- 第4問:三項間漸化式と互いに素の証明
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)
\(0\le x\le 18\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+81\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)
円 \\(x^2+y^2=81\\) の内部の点 \(Q(\frac{9}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)
第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)
表の確率が \(1/9\)、裏の確率が \(8/9\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。
(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)
(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)
(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)
解答・解説
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+81-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-9\le t\le 9\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>9\) または \(t<-9\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>9\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(18)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(405-36t\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=\frac{9}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{243}{4}\\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
直線は \(mx-y-\frac{9}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{81m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{81-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le9/2\)。面積の2乗は \(d^2(81-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(81-s)\) は \(0\le s\le81/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 停止する試行と期待値の連立
(1)
2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(p=1/9,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
1回の表までの平均は \(9\) 回なので合計2回の表までの平均は \(18\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(9\) なので \(a_{n+1}-a_n=9^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(9-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=9a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-9a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。