東京大学 前期・文科 数学記述模試 第030回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 対数方程式の存在条件(20点)

\(\log_2 x+\log_2(8-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(6点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(6点)

(3)\(a=\log_2 12\) のとき、すべての解を求めなさい。(8点)


第2問 等周条件と三角形の面積(20点)

周の長さが \(48\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(6点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(6点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)


第3問 反射による経路の数え上げ(20点)

数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(16\) 回動かす。

(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(6点)

(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(6点)

(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(8点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(20点)

\(0\le a\le8\) とする。\(0\le x\le8\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(6点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(6点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<8\)。\(x(8-x)=64/4-(x-8/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,64/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<8,\quad a\le\log_2 16} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 16:2\text{個};\quad a=\log_2 16:1\text{個};\quad a>\log_2 16:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(8-x)=12\) を解く。2つの解の和は \(8\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=2,\ 6} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=48-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=48-2a,\quad 12<a<24} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=24(24-a)^2(2a-24)\)。微分すると \((S^2)'=144(24-a)(16-a)\)。存在範囲で \(a=16\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=16,\quad S_{\max}=64\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(24\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=24r\)。

\[ \boxed{r=\frac{8}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 反射による経路の数え上げ

(1)

右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(8\) 回。右への移動の位置を選ぶ。

\[ \boxed{12870} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(9\) 回、左が \(7\) 回なので \(\binom{16}{7}\) 個。全体から差し引く。

\[ \boxed{1430} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{16}{8}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/9\)。

\[ \boxed{\frac{1}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le8\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{8}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-32a+\frac{512}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-32\)。定義域内で \(a=8/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=4\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{256}{3}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。