東京大学 前期・文科 数学記述模試 第009回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 三角関数を二次関数に置き換える(20点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+4\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(6点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(6点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=4\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)


第2問 空間の垂線と四面体(20点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(4,0,0),B(0,8,0),C(0,0,12) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(6点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(6点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(20点)

\(4\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(6点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(6点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(20点)

\(0\le a\le4\) とする。\(0\le x\le4\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(6点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(6点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=4+t-8t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=4+\frac1{32}-8(t-\frac1{16})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=4\)、\(f(1)=-3\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{129}{32}\ (\sin\theta=\frac1{16}),\quad\min f=-3\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-8t^2=0\) の解は0と \(1/8\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=24} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=24\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{144}{49},\frac{72}{49},\frac{48}{49}),\quad OH=\frac{24}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(16\)、Cからこの底面までの高さは \(12\) なので体積は \(64\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{56} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{4}=9\)。全割当ては \(4!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{3}{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/4\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le4\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{4}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-8a+\frac{64}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-8\)。定義域内で \(a=4/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=2\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{32}{3}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。