大阪大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第010回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{32+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{32n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第2問 等周条件と三角形の面積(17点)

周の長さが \(192\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(5点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(5点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(7点)


第3問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(32-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 192\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(17点)

\(0\le a\le32\) とする。\(0\le x\le32\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(5点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(5点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^32=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{31}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{31}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{31}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 完全順列の漸化式と固定点(16点)

\(32\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{32+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{32+j/n} \]

は \(g(x)=1/(32+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{32+x}\,dx=[\frac23(32+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(33\sqrt{33}-128\sqrt{2})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{32+x}\,dx=[\log(32+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{33}{32}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=192-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=192-2a,\quad 48<a<96} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=96(96-a)^2(2a-96)\)。微分すると \((S^2)'=576(96-a)(64-a)\)。存在範囲で \(a=64\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=64,\quad S_{\max}=1024\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(96\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=96r\)。

\[ \boxed{r=\frac{32}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<32\)。\(x(32-x)=1024/4-(x-32/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,1024/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<32,\quad a\le\log_2 256} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 256:2\text{個};\quad a=\log_2 256:1\text{個};\quad a>\log_2 256:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(32-x)=192\) を解く。2つの解の和は \(32\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=8,\ 24} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le32\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{32}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-512a+\frac{32768}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-512\)。定義域内で \(a=32/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=16\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{16384}{3}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(32\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{31}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{32}+i\sin\frac{2\pi j}{32},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{64} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^32-1=(z-1)\prod_{j=1}^{31}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{31}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{32} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると

\[ D_{32}=96800425246141091510518408809597121 \]

。全割当ては \(32!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{3122594362778744887436077703535391}{8488091513990113876361871360000000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/32\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。