お茶の水女子大学 理学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第088回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 剰余定理と三次式の因数分解(17点)

\(P(x)=x^3+ax+b\) とし、\(P(16)=0\)、\(P(-16)=8192\) とする。

(1)a,bを求めなさい。(5点)

(2)P(x)=0の解をすべて求めなさい。(5点)

(3)P(x)を \(x-32\) で割った余りを求めなさい。(7点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)

円 \\(x^2+y^2=256\\) の内部の点 \(Q(8,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)


第3問 指数関数の最大値と積分の極限(17点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-16x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(5点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(5点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(7点)


第4問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-16|=2|z+16|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第5問 停止する試行と期待値の連立(16点)

表の確率が \(1/16\)、裏の確率が \(15/16\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(4点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(4点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第6問 逆数で線形化し差を足す(16点)

\[ a_1=1/16,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 剰余定理と三次式の因数分解

(1)

2つの条件を代入してa,bの連立一次方程式を解く。

\[ \boxed{a=-512,\quad b=4096} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(P(x)=(x-16)\(x^2+16x-256\)\)。残った二次方程式に解の公式を使う。

\[ \boxed{x=16,8(-1\pm\sqrt5)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一次式で割った余りは、その一次式の零点での多項式の値に等しい。

\[ \boxed{20480} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=8\) を円の式に代入する。\\(y^2=192\\)。

\[ \boxed{(8,\pm 8\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-8m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{256m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{256-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=16\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le16/2\)。面積の2乗は \(d^2(256-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(256-s)\) は \(0\le s\le256/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=64\sqrt{3},\quad x=8} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-16x}(1-16x)\)。指数因子は正なので \(x=1/16\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{16},\quad\max f=\frac1{16e}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{16x+1}{256}e^{-16x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(16a+1)e^{-16a}}{256}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(e^{-16a}\) と \(ae^{-16a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{256}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-16)^2+y^2=4((x+16)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+\frac{80}{3})^2+y^2=\frac{4096}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(80/3\)、半径は \(64/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=48\ (z=-48),\quad\min|z|=\frac{16}{3}\ (z=-\frac{16}{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-16w|=2|1+16w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{48})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{1}{144}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{256},\quad P(T=3)=\frac{15}{4096}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(p=1/16,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{272} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

1回の表までの平均は \(16\) 回なので合計2回の表までの平均は \(32\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=32,\quad\text{差}=240} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+15}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{16}-\frac1{n+16}=\frac{n}{16(n+16)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+16}{16}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。