京都大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第014回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 58\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+841\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第2問 逆数で線形化し差を足す(17点)

\[ a_1=1/29,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)


第3問 楕円の接線と切片・回転体(17点)

楕円

\[ \frac{x^2}{3364}+\frac{y^2}{841}=1 \]

の第1象限の点 \(P(58\cos t,29\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)


第4問 線分上の点と内積・最大最小(17点)

\(O(0,0),B(58,0),C(0,29)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(5点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(5点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(7点)


第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)

\(29\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第6問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{29+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{29n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+841-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}841&t\le0\\841-t^2&0<t<58\\4205-116t&t\ge58\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-29\le t\le 29\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le29} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>29\) または \(t<-29\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>29\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(58)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(4205-116t\)。

\[ \boxed{29<t\le \frac{145}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+28}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{29}-\frac1{n+29}=\frac{n}{29(n+29)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+29}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{58}+\frac{y\sin t}{29}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(58/\cos t\)、\(29/\sin t\)。面積は \(841/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=1682,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(841\(1-x^2/3364\)\)。\(-58\le x\le58\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{195112}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(58(1-t),29t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ OP^2=841(5t^2-8t+4)=5841(t-4/5)^2+4841/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-58,29)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{58}{5},\frac{116}{5}),\quad\min OP=\frac{58}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

長方形の面積は

\[ 1682t(1-t)=\frac{841}{2}-1682(t-1/2)^2 \]

。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=\frac{841}{2},\quad P=(29,\frac{29}{2})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると

\[ D_{29}=3252702461227859257745914274516 \]

。全割当ては \(29!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{116167945043852116348068366947}{315777214062132212662272000000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/29\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{29+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{29+j/n} \]

は \(g(x)=1/(29+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{29+x}\,dx=[\frac23(29+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(30\sqrt{30}-29\sqrt{29})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{29+x}\,dx=[\log(29+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{30}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。