関西学院大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第094回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^11=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{10}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{10}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{10}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/11\)、裏の確率が \(10/11\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第3問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=12,\ a_{n+2}=12a_{n+1}-11a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第4問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+11\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=11\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)


第5問 円の弦と三角形の面積の最大化(16点)

円 \\(x^2+y^2=121\\) の内部の点 \(Q(\frac{11}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(4点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(4点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第6問 三角関数の積分漸化式(16点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)

(2)\(I_{22}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(I_{23}\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(11\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{10}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{11}+i\sin\frac{2\pi j}{11},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{22} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^11-1=(z-1)\prod_{j=1}^{10}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{10}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{11} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{121},\quad P(T=3)=\frac{10}{1331}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/11,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{132} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(11\) 回なので合計2回の表までの平均は \(22\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=22,\quad\text{差}=110} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=11(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(11\) なので \(a_{n+1}-a_n=11^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{11^n-1}{10}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(11-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{11(11^n-1)-10n}{100}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=11a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-11a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=11+t-22t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=11+\frac1{88}-22(t-\frac1{44})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=11\)、\(f(1)=-10\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{969}{88}\ (\sin\theta=\frac1{44}),\quad\min f=-10\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-22t^2=0\) の解は0と \(1/22\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{22}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{11}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{363}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{11}{2},\pm \frac{11}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{11}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{121m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{121-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=11\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le11/2\)。面積の2乗は \(d^2(121-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(121-s)\) は \(0\le s\le121/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{121}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{11}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(11\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{88179}{1048576}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(11\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{524288}{2028117}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。