慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第064回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 絶対値を含む面積の最適化(17点)

\(0\le a\le4\) とする。\(0\le x\le4\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(5点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(5点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(7点)


第2問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-16)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第3問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 8\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+16\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第4問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^4=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{3}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{3}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{3}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)

\(4\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第6問 回転軸を変える体積計算(16点)

\(0\le x\le4\) で曲線 \(y=x(4-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(4点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le4\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{4}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-8a+\frac{64}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-8\)。定義域内で \(a=4/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=2\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{32}{3}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=16\)。

\[ \boxed{y=8x-16,\quad y=-8x-16} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm4,16)\)。底辺の長さは \(8\)、Pから底辺までの高さは \(32\)。

\[ \boxed{128} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-4)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{4}(x-4)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{128}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+16-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}16&t\le0\\16-t^2&0<t<8\\80-16t&t\ge8\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-4\le t\le 4\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>4\) または \(t<-4\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>4\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(8)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(80-16t\)。

\[ \boxed{4<t\le 5} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(4\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{3}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{4}+i\sin\frac{2\pi j}{4},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{8} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^4-1=(z-1)\prod_{j=1}^{3}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{3}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{4} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{4}=9\)。全割当ては \(4!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{3}{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/4\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{4}x(4-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{32}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切り口は半径 \(x(4-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{4}x^2(4-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{512}{15}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(0\le y\le16/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(4\pm\sqrt{16-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=4\pi\sqrt{16-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{128}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。