順天堂大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第009回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 完全順列の漸化式と固定点(17点)

\(30\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)


第2問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+30\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=30\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)


第3問 逆数で線形化し差を足す(17点)

\[ a_1=1/30,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)


第4問 円と直線の交点数・弦の長さ(17点)

円 \\(x^2+y^2=900\\) と直線 \(y=x+a\) を考える。

(1)共有点をもつaの範囲を求めなさい。(5点)

(2)接するときのaと接点を求めなさい。(5点)

(3)2交点を結ぶ弦の長さをaで表し、最大値を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^30=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{29}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{29}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{29}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 指数関数の最大値と積分の極限(16点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-30x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(4点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(4点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると

\[ D_{30}=97581073836835777732377428235481 \]

。全割当ては \(30!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{3364864615063302680426807870189}{9146650338351415815045120000000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/30\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=30+t-60t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=30+\frac1{240}-60(t-\frac1{120})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=30\)、\(f(1)=-29\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{7201}{240}\ (\sin\theta=\frac1{120}),\quad\min f=-29\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-60t^2=0\) の解は0と \(1/60\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{60}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+29}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{30}-\frac1{n+30}=\frac{n}{30(n+30)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+30}{30}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 円と直線の交点数・弦の長さ

(1)

代入すると \\(2x^2+2ax+a^2-900=0\\)。判別式を0以上にする。

\[ \boxed{-30\sqrt2\le a\le30\sqrt2} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

判別式が0のときx=−a/2、y=a/2となる。

\[ \boxed{a=\pm30\sqrt2,\quad P=(-a/2,a/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

原点から直線までの距離は|a|/√2。弦の中点までの距離と半径で直角三角形を作る。

\[ \boxed{L=\sqrt{3600-2a^2},\quad\max L=60\ (a=0)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(30\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{29}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{30}+i\sin\frac{2\pi j}{30},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{60} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^30-1=(z-1)\prod_{j=1}^{29}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{29}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{30} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-30x}(1-30x)\)。指数因子は正なので \(x=1/30\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{30},\quad\max f=\frac1{30e}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{30x+1}{900}e^{-30x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(30a+1)e^{-30a}}{900}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(e^{-30a}\) と \(ae^{-30a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{900}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。