自治医科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第082回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 等比数列と奇数番目の項の和(17点)

初項10、公比2の等比数列をaₙとする。

(1)一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)最初のn個の奇数番目の項の和を求めなさい。(7点)


第2問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{10+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{10n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第3問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(10-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 \frac{75}{4}\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第4問 空間の垂線と四面体(17点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(10,0,0),B(0,20,0),C(0,0,30) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^10=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{9}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{9}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{9}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 停止する試行と期待値の連立(16点)

表の確率が \(1/10\)、裏の確率が \(9/10\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(4点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(4点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 等比数列と奇数番目の項の和

(1)

初項に公比のn−1乗を掛ける。

\[ \boxed{a_n=10\cdot2^{n-1}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

和に公比を掛けて元の和を引くと、中間の項が消える。

\[ \boxed{S_n=10(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

奇数番目の項の列は初項が同じで公比4の等比数列となる。

\[ \boxed{T_n=\frac{10}{3}(4^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{10+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{10+j/n} \]

は \(g(x)=1/(10+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{10+x}\,dx=[\frac23(10+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(11\sqrt{11}-10\sqrt{10})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{10+x}\,dx=[\log(10+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{11}{10}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<10\)。\(x(10-x)=100/4-(x-10/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,100/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<10,\quad a\le\log_2 25} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 25:2\text{個};\quad a=\log_2 25:1\text{個};\quad a>\log_2 25:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(10-x)=\frac{75}{4}\) を解く。2つの解の和は \(10\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{5}{2},\ \frac{15}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=60} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=60\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{360}{49},\frac{180}{49},\frac{120}{49}),\quad OH=\frac{60}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(100\)、Cからこの底面までの高さは \(30\) なので体積は \(1000\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{350} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(10\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{9}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{10}+i\sin\frac{2\pi j}{10},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{20} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^10-1=(z-1)\prod_{j=1}^{9}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{9}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{10} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{100},\quad P(T=3)=\frac{9}{1000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(p=1/10,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{110} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

1回の表までの平均は \(10\) 回なので合計2回の表までの平均は \(20\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=20,\quad\text{差}=90} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。