高校数学3年分 | 3 先取り編
要約
関数の変化を調べる極限・微分・積分と、複素数平面、曲線の表し方に触れます。計算しやすい例を通して、考え方をつかむ編です。
関連ドリル: 先取り編ドリル
1. 基本知識
1-1. 極限
\(x\) をある数に近づけるとき、式の値がどこに近づくかを考えます。\(x=1\) を直接代入できない
は、\(x\) を1に近づけると2に近づきます。これを \(\lim_{x\to1}(x^{2}-1)/(x-1)=2\) と書きます。
1-2. 微分
微分は、その点でのグラフの傾きを求める方法です。\(x^n\) の導関数は \(nx^{n-1}\) なので、\(y=x^3-3x\) の導関数は \(y'=3x^{2}-3\) です。
1-3. 定積分
定積分は区間での変化をまとめる計算です。\(x^n\) の原始関数は \(x^{n+1}/(n+1)\)(\(n\ne-1\))なので、
です。グラフが \(x\) 軸より上にあれば、この値はその区間の面積にもなります。
1-4. 複素数平面
複素数 \(z=a+bi\) を平面上の点 \((a,b)\) として表します。原点からの距離を絶対値といい、\(|z|=\sqrt{a^{2}+b^{2}}\) です。
1-5. 媒介変数で表す曲線
\(x\) と \(y\) を同じ文字 \(t\) で表す方法です。\(x=t+1,y=2t-1\) なら \(t=x-1\) から \(y=2x-3\) と直線の式に直せます。
2. 大切なポイント
- 極限では、代入前に分母が0になるか確認します。約分できるのは \(x\ne1\) の範囲です。
- 微分で得るのは傾きです。接線の式には、その点の座標も必要です。
- 定積分の値は符号付きです。面積として使うときは、グラフが \(x\) 軸の上下どちらにあるか確認します。
- \(|a+bi|\) は \(a^{2}+b^{2}\) ではなく、その平方根です。
3. 例題
例1(極限)
例2(微分と接線) \(y=x^{2}\) の \(x=2\) における傾きは \(y'=2x\) より4。点 \((2,4)\) を通るので、接線は \(y-4=4(x-2)\)、すなわち \(y=4x-4\) です。
例3(定積分)
例4(複素数平面) \(z=3+4i\) は点 \((3,4)\) を表し、\(|z|=\sqrt{3^2+4^2}=5\) です。
例5(媒介変数) \(x=2t,y=t+3\) では \(t=x/2\) なので、\(y=x/2+3\) です。
4. よくある間違い
- \(0/0\) を0と決めてしまう。まず式を変形します。
- \(x^3\) の導関数を \(3x^3\) とする。次数は1下がります。
- 定積分で「上端の値 − 下端の値」の順を逆にする。
- 複素数平面で実部と虚部の座標を逆にする。
5. コツ
極限は式を整え、微分は傾きを求め、積分は原始関数を両端で評価します。何を求める操作かを毎回言葉にすると、公式を選びやすくなります。
6. 確認問題
(1)\(\displaystyle\lim_{x\to3}\frac{x^{2}-9}{x-3}\) を求めなさい。
(2)\(y=x^3+2x\) の導関数を求めなさい。
(3)\(y=x^{2}\) の \(x=1\) における接線の式を求めなさい。
(4)\(\displaystyle\int_0^2(3x^{2}+1)\,dx\) を求めなさい。
(5)\(z=-1+2i\) が表す点と \(|z|\) を求めなさい。
(6)\(x=t-2,y=3t+1\) から \(t\) を消去しなさい。
7. 解答・解説
(1)\(x\ne3\) では \((x^{2}-9)/(x-3)=x+3\)。よって \(\boxed{6}\)。
(2)\(x^3\) を微分すると \(3x^{2}\)、\(2x\) を微分すると2なので \(\boxed{y'=3x^{2}+2}\)。
(3)点は \((1,1)\)、傾きは \(y'=2x\) から2。\(y-1=2(x-1)\) より \(\boxed{y=2x-1}\)。
(4)原始関数は \(x^3+x\)。\([x^3+x]_0^2=8+2=\boxed{10}\)。
(5)点は \(\boxed{(-1,2)}\)。\(|z|=\sqrt{(-1)^2+2^2}=\boxed{\sqrt5}\)。
(6)\(t=x+2\) を代入して \(y=3(x+2)+1\)。よって \(\boxed{y=3x+7}\)。
8. まとめ
極限・微分・積分は、関数を「近づく値」「その場の傾き」「区間全体の変化」から見る方法です。複素数や媒介変数も、点と曲線に結び付けると理解しやすくなります。