高校数学3年分 | 1 基礎編(高1から)
要約
式の計算を土台に、二次関数、三角比、確率、データの読み取りを学びます。どれも後の学習で繰り返し使います。
関連ドリル: 基礎編ドリル
1. 基本知識
1-1. 展開と因数分解
分配法則で積を和に直すのが展開、逆に和を積に直すのが因数分解です。
1-2. 二次関数
平方完成をすると、放物線の頂点を読み取れます。
したがって頂点は \((2,-3)\)、最小値は \(-3\) です。
1-3. 三角比
直角三角形で、角 \(\theta\) に対する向かいの辺を「対辺」といいます。
たとえば辺の比が \(3:4:5\) の直角三角形で、長さ3の辺に向かい合う角なら \(\sin\theta=3/5\) です。
1-4. 場合の数と確率
異なる選び方を漏れなく数えます。すべての結果が同じ起こりやすさなら、
です。2枚の硬貨を投げると、結果は表表・表裏・裏表・裏裏の4通りで、表が1枚だけの確率は \(2/4=1/2\) です。
1-5. データの整理
平均は値の合計を個数で割ります。分散は各値と平均の差を二乗し、その平均を取った値です。二乗するので、平均からの離れ具合を表せます。
1-6. 集合と命題
集合は要素を集めたものです。共通する要素を集めた共通部分を \(A\cap B\) と書きます。「4の倍数なら偶数」は、どの整数でも成り立つ命題です。
1-7. 整数の性質
連続する2つの整数のうち、必ず一方は偶数です。したがって整数 \(n\) について \(n(n+1)\) は必ず偶数です。このように、数を文字で表すとすべての場合を一度に説明できます。
1-8. 図形の性質
三角形 \(ABC\) で、頂点 \(A\) から辺 \(BC\) に引いた角の二等分線が \(D\) で交わるとき、\(BD:DC=AB:AC\) です。角の二等分線は、向かいの辺を両側の辺の長さの比に分けます。
2. 大切なポイント
- 式を展開したら、同類項をまとめます。
- 二次関数の最小値は、平方完成と \((x-a)^2\geq0\) から説明できます。
- 確率を計算する前に、すべての場合が同じ起こりやすさか確認します。
- データの分散では、平均との差を先に出します。
3. 例題
例1(式) \(x^{2}-7x+12\) を因数分解します。積が12、和が \(-7\) になる \(-3,-4\) を使い、
となります。
例2(二次関数) \(y=x^{2}+6x+5\) の最小値を求めます。
より、\(x=-3\) で最小値 \(-4\) です。
例3(三角比) 斜辺10、角 \(\theta\) の対辺6の直角三角形では、\(\sin\theta=6/10=3/5\) です。
例4(確率) さいころを1回振り、偶数が出る確率は、\(2,4,6\) の3通りから \(3/6=1/2\) です。
例5(データ) \(1,3,5\) の平均は3、分散は
です。
例6(集合) \(A=\{1,2,3\},B=\{2,4\}\) の共通部分は \(A\cap B=\{2\}\) です。
例7(整数) \(n\) が偶数なら \(n=2k\)、奇数なら \(n=2k+1\) と書けます。どちらの場合も \(n(n+1)\) には2の因子があります。
例8(図形) 三角形 \(ABC\) で \(AB=6,AC=9,BC=10\)、\(AD\) が角 \(A\) の二等分線なら、\(BD:DC=2:3\)。合計が10なので \(BD=4,DC=6\) です。
4. よくある間違い
- \((x+a)^2\) の中項 \(2ax\) を忘れる。
- 二次関数の頂点の \(x\) 座標で符号を取り違える。
- 硬貨2枚の「表裏」と「裏表」を同じ1通りと数える。
- 分散で平均との差を二乗せず、足して0にしてしまう。
5. コツ
「式を整える → 条件を図や表にする → 最後に答えを確かめる」という順で解きましょう。
6. 確認問題
(1)\(x^{2}+x-12\) を因数分解しなさい。
(2)\(y=x^{2}-2x+4\) の頂点と最小値を求めなさい。
(3)斜辺13、角 \(\theta\) の対辺5の直角三角形で、\(\sin\theta\) を求めなさい。
(4)2枚の硬貨を投げるとき、少なくとも1枚が表である確率を求めなさい。
(5)\(2,4,6\) の平均と分散を求めなさい。
(6)\(A=\{1,3,5\},B=\{3,4,5\}\) の \(A\cap B\) を求めなさい。
(7)整数 \(n\) について \(n(n+1)\) が偶数である理由を説明しなさい。
(8)三角形 \(ABC\) で \(AB=8,AC=12,BC=15\)。角 \(A\) の二等分線と \(BC\) の交点を \(D\) とするとき、\(BD,DC\) を求めなさい。
7. 解答・解説
(1)積が \(-12\)、和が1となる \(4,-3\) を使い、\(\boxed{(x+4)(x-3)}\) です。
(2)\(y=(x-1)^2+3\) なので、頂点は \(\boxed{(1,3)}\)、最小値は \(\boxed{3}\) です。
(3)定義から \(\sin\theta=5/13\) なので、\(\boxed{\frac{5}{13}}\) です。
(4)4通りのうち、裏裏以外の3通りです。\(\boxed{\frac34}\)。
(5)平均は \((2+4+6)/3=\boxed{4}\)。分散は
です。
(6)両方の集合に入るのは3と5なので、\(\boxed{A\cap B=\{3,5\}}\) です。
(7)連続する整数 \(n,n+1\) の一方は必ず偶数なので、その積 \(n(n+1)\) も \(\boxed{\text{偶数}}\) です。
(8)\(BD:DC=AB:AC=8:12=2:3\)。\(BC=15\) を5等分すると1つ分は3なので、\(\boxed{BD=6,\ DC=9}\) です。
8. まとめ
式を整えてから、グラフ・図・場合分け・データに当てはめるのが基本です。次は、これらの考え方を新しい記号と関数へ広げます。