三角形の辺の長さは何倍?|小学5年生の図形と比例(発展)
要約
2つの三角形が同じ形で、大きさだけちがうときは、対応(たいおう)する辺がすべて同じ倍数(ばいすう)になります。「どの辺とどの辺をくらべるか」を決めれば、わからない辺の長さも計算できます。後半では、三角形の中に平行(へいこう)な線がある問題にチャレンジします。
学習の目安:小学5年生の「倍」「比例」の復習+中学数学の先取り。 「相似(そうじ)」という言葉や比の式は、おもに6年生以降・中学校でくわしく学びます。ここでは5年生でもわかる「何倍?」という考え方で進めましょう。
関連ドリル:三角形の辺の長さ・確認問題5問
1. 基本知識:対応する辺をさがそう
下の2つは、どちらも直角三角形です。辺の長さをくらべてみましょう。
| 小さい三角形 | 大きい三角形 | 何倍? |
|---|---|---|
| 底の辺 3 cm | 底の辺 6 cm | 6 ÷ 3 = 2倍 |
| たての辺 4 cm | たての辺 8 cm | 8 ÷ 4 = 2倍 |
| ななめの辺 5 cm | ななめの辺 10 cm | 10 ÷ 5 = 2倍 |
3本とも2倍です。 このように、同じ形の三角形どうしでは、対応する辺の長さは同じ割合で変わります。
※ 形がちがう2つの三角形では、辺の長さを勝手に同じ倍数にしてはいけません。
2. 重要ポイント:辺の長さを求める3ステップ
- 対応する辺を見つける(底の辺は底の辺とくらべる)。
- わかっている辺で、何倍になったかを計算する。
- 求めたい辺にも、同じ倍数をかける。または同じ倍数でわる。
大きくするとき:
\[
\text{大きい三角形の辺}=\text{小さい三角形の辺}\times\text{倍数}
\]
小さくするとき:
\[
\text{小さい三角形の辺}=\text{大きい三角形の辺}\div\text{倍数}
\]
3. 例題① 大きい三角形の辺を求めよう
問題: 同じ形の2つの三角形で、底の辺が6 cmから9 cmになりました。小さい三角形の別の辺が8 cmなら、大きい三角形の対応する辺は何cmですか。
考え方
① 底の辺で倍数を求める。
\[ 9\div6=1.5\text{倍} \]
② ほかの辺も1.5倍。
\[ 8\times1.5=\boxed{12\text{ cm}} \]
答え:12 cm
ここでは「6:9=8:□」という中学校で使う書き方を覚えなくても、9÷6→8×1.5 の順番で解けます。
4. 例題② 大きい三角形から小さい三角形を求めよう
問題: 小さい三角形の底の辺は4 cm、大きい三角形の底の辺は12 cmです。大きい三角形の別の辺が21 cmなら、小さい三角形の対応する辺は何cmですか。
① 大きくなる倍数は \(12\div4=3\) 倍。
② 小さい方へもどすので、3でわる。
\[ 21\div3=\boxed{7\text{ cm}} \]
答え:7 cm
5. 例題③ 3本の辺の長さのきまり
問題: ある三角形の辺の長さは3 cm、4 cm、5 cmです。同じ形の三角形で一番長い辺が20 cmなら、ほかの2本は何cmですか。
① 一番長い辺は \(20\div5=4\) 倍。
② 残りの2本も4倍。
\[ 3\times4=\boxed{12\text{ cm}} \]
\[ 4\times4=\boxed{16\text{ cm}} \]
答え:12 cmと16 cm
6. 発展:三角形の中に平行な線があるとき
ここからは中学校で学ぶ図形の性質の先取りです。小学5年生は、まず図を見て「小さい三角形と大きい三角形が同じ形になっている」と考えられれば十分です。
三角形ABCの辺AB上に点D、辺AC上に点Eがあります。DEとBCは平行です(DE ∥ BC)。
問題: AD = 4 cm、DB = 6 cm、DE = 8 cmのとき、BCは何cmでしょうか。
ステップ1 左の辺を全部足す
\[ AB=AD+DB=4+6=\boxed{10\text{ cm}} \]
ステップ2 小さい三角形は何倍で大きくなる?
辺ADが4 cm、辺ABが10 cmなので、
\[ 10\div4=2.5\text{倍} \]
ステップ3 平行な辺DEも同じ倍数で大きくする
\[ BC=8\times2.5=\boxed{20\text{ cm}} \]
答え:BC = 20 cm
覚え方: 「小さい三角形の左の辺 → 大きい三角形の左の辺」の倍数を、「上の横の辺DE → 下の横の辺BC」にも使います。
\[
\]
この計算が使えるのは、DがAB上、EがAC上にあり、DEとBCが平行であるときです。線が平行でなければ、この方法で求めることはできません。
7. よくあるまちがい
- 4 cmと6 cmで倍数を考えてしまう: ADとDBは「小さい三角形の辺と大きい三角形の辺」の組み合わせではありません。ABは4+6=10 cmにしましょう。
- DEとBCが平行かを見ない: 形がそろっているという条件をたしかめます。
- 大きい三角形を求めるのに、わってしまう: 大きい方を求めるなら「×」、小さい方なら「÷」です。
- 対応しない辺をくらべる: 左の辺は左の辺と、底の辺は底の辺とくらべます。
8. 確認してみよう
問題: 図のようにDE ∥ BCで、AD = 3 cm、DB = 6 cm、DE = 4 cmのとき、BCは何cm?
考え方: AB = 3+6 = 9 cm。大きくなる倍数は9÷3=3倍。BC = 4×3 = 12 cm。
もっと練習する:確認ドリル5問へ
9. まとめ
- 同じ形の三角形なら、対応する辺は同じ倍数になります。
- 何倍かを先に求めると、わからない辺が計算できます。
- 三角形ABCでDE ∥ BCなら、ABをADでわった倍数をDEにかければBCが求められます(発展)。
- 平行かどうか、対応する辺を取りちがえていないか、かならず確かめましょう。