早稲田大学 基幹・創造・先進理工学部 数学記述模試 第093回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 34\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+289\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第2問 抽出方法と条件付き確率(17点)

袋に赤玉 \(17\) 個、青玉 \(34\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(5点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(5点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(7点)


第3問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)

円 \\(x^2+y^2=289\\) の内部の点 \(Q(\frac{17}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)


第4問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-867x\) の \(x=17\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第5問 対数の評価と部分積分(16点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le17\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(4点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(4点)

(3)

\[ \int_1^{17}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(8点)


第6問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^17=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{16}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{16}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{16}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+289-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}289&t\le0\\289-t^2&0<t<34\\1445-68t&t\ge34\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-17\le t\le 17\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le17} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>17\) または \(t<-17\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>17\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(34)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(1445-68t\)。

\[ \boxed{17<t\le \frac{85}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((17-1)/(51-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{8}{75}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{34(34-1)}{51(51-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{4}{21}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(17-1)<85-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{4}{21}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{17}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{867}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{17}{2},\pm \frac{17}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{17}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{289m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{289-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=17\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le17/2\)。面積の2乗は \(d^2(289-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(289-s)\) は \(0\le s\le289/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{289}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{17}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(17)=0\) なので \(l:y=-9826\)。差は \((x-17)^2(x+34)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-34,-9826),\quad(17,-9826)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-34,17]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-34}^{17}(x^3-867x+9826)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-\frac{867}{2}x^2+9826x\\)。

\[ \boxed{\frac{2255067}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{17}(f(x)+9826)\,dx=\frac{250563}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<17\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log17+1}{17}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(17\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{16}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{17}+i\sin\frac{2\pi j}{17},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{34} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^17-1=(z-1)\prod_{j=1}^{16}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{16}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{17} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。