東京大学 前期・理科 数学記述模試 第075回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 対数方程式の存在条件(20点)

\(\log_2 x+\log_2(23-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(6点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(6点)

(3)\(a=\log_2 \frac{1587}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(8点)


第2問 等周条件と三角形の面積(20点)

周の長さが \(138\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(6点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(6点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)


第3問 標本平均と片側検定・必要標本数(20点)

ある母集団の母標準偏差は \(23\) で既知とする。独立な \(2116\) 個の標本の平均は \(\bar x=51\) だった。帰無仮説 \(\mu=50\)、対立仮説 \(\mu>50\) を有意水準5%で検定する。標本平均は正規分布で近似でき、標準正規分布の上側5%点は1.645、両側95%区間には1.96を使う。

(1)標本平均の標準偏差と標準化した検定統計量を求めなさい。(6点)

(2)検定の結論を、対立仮説の向きと有意水準を含めて説明しなさい。(6点)

(3)母平均の95%信頼区間の半幅を0.5以下にする最小の標本数を求めなさい。(8点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(20点)

\(0\le a\le23\) とする。\(0\le x\le23\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(6点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(6点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(8点)


第5問 対数の評価と部分積分(20点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le23\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(6点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(6点)

(3)

\[ \int_1^{23}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(8点)


第6問 双曲線の接線と不変な面積(20点)

第1象限の双曲線 \\(xy=529\\) 上の点 \(P(t,529/t)\)、\(t>0\) を考える。

(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(6点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(6点)

(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<23\)。\(x(23-x)=529/4-(x-23/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,529/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<23,\quad a\le\log_2 \frac{529}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 \frac{529}{4}:2\text{個};\quad a=\log_2 \frac{529}{4}:1\text{個};\quad a>\log_2 \frac{529}{4}:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(23-x)=\frac{1587}{16}\) を解く。2つの解の和は \(23\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{23}{4},\ \frac{69}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=138-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=138-2a,\quad \frac{69}{2}<a<69} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=69(69-a)^2(2a-69)\)。微分すると \((S^2)'=414(69-a)(46-a)\)。存在範囲で \(a=46\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=46,\quad S_{\max}=529\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(69\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=69r\)。

\[ \boxed{r=\frac{23}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 標本平均と片側検定・必要標本数

(1)

標本平均の標準偏差は

\[ \sigma/\sqrt n=23/\sqrt{2116}=1/2 \]

。\(Z=(51-50)/(1/2)=2\)。

\[ \boxed{\sigma_{\bar X}=\frac12,\quad Z=2} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

対立仮説は平均が大きいという片側。統計量2は上側5%点1.645を超えるため帰無仮説を棄却する。5%水準で母平均が50より大きいと判断する。帰無仮説が誤りである確率が95%という意味ではない。

\[ \boxed{\text{有意水準5\%で棄却する}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半幅は \(1.96\sigma/\sqrt n\)。\(1.96\cdot23/\sqrt n\le0.5\) を解くと \(n\ge(3.92\cdot23)^2\)。標本数は整数なので切り上げる。

\[ \boxed{8129} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le23\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{23}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-\frac{529}{2}a+\frac{12167}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-\frac{529}{2}\)。定義域内で \(a=23/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=\frac{23}{2}\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{12167}{6}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<23\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log23+1}{23}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 双曲線の接線と不変な面積

(1)

\(y=529/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-529/t=-529(x-t)/t^2\)。

\[ \boxed{\frac xt+\frac{yt}{529}=2,\quad(2t,0),(0,1058/t)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(2t\) と \(1058/t\)。その積が \(2116\) で一定なので、面積も一定となる。

\[ \boxed{1058} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

相加相乗平均より \(2t+1058/t\ge92\)。等号は \(t=23\) のとき。

\[ \boxed{\min=92,\quad P=(23,23)} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。