東京大学 前期・理科 数学記述模試 第073回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 整数条件を積に直す(20点)

正の整数 \(x,y\) が \\(xy+23x+23y=1587\\) を満たす。

(1)左辺に適当な数を加え、2つの整数の積として表しなさい。(6点)

(2)条件を満たすすべての組を、ただし同時に交換した組は同一とし、小さい成分を先に書いて求めなさい。(6点)

(3)順序を区別する組の個数を求めなさい。(8点)


第2問 線分上の点と内積・最大最小(20点)

\(O(0,0),B(46,0),C(0,23)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(6点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(6点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(8点)


第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)

表の確率が \(1/23\)、裏の確率が \(22/23\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)

\[ a_1=1,\ a_2=24,\ a_{n+2}=24a_{n+1}-23a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


第5問 区分求積と和の極限(20点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{23+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{23n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(6点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(6点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


第6問 1の累乗根と積・距離の和(20点)

方程式 \(z^23=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{22}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(6点)

(2)\(\sum_{j=0}^{22}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(6点)

(3)\(\prod_{j=1}^{22}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 整数条件を積に直す

(1)

両辺に \(529\) を加えると \((x+23)(y+23)=2116\)。

\[ \boxed{(x+23)(y+23)=2116} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(x\le y\) とおくと \(d=x+23\) は \(23<d\le 46\) を満たす \(2116\) の約数。\(y=2116/d-23\) を計算して漏れなく列挙する。

\[ \boxed{(23,23)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問は1組であり、対角の組は \((23,23)\) の1組だけ。それ以外は交換した組も数える。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(46(1-t),23t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ OP^2=529(5t^2-8t+4)=5529(t-4/5)^2+4529/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-46,23)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{46}{5},\frac{92}{5}),\quad\min OP=\frac{46}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

長方形の面積は

\[ 1058t(1-t)=\frac{529}{2}-1058(t-1/2)^2 \]

。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=\frac{529}{2},\quad P=(23,\frac{23}{2})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{529},\quad P(T=3)=\frac{22}{12167}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/23,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{552} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(23\) 回なので合計2回の表までの平均は \(46\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=46,\quad\text{差}=506} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=23(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(23\) なので \(a_{n+1}-a_n=23^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{23^n-1}{22}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(23-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{23(23^n-1)-22n}{484}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=23a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-23a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{23+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{23+j/n} \]

は \(g(x)=1/(23+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{23+x}\,dx=[\frac23(23+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(48\sqrt{6}-23\sqrt{23})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{23+x}\,dx=[\log(23+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{24}{23}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(23\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{22}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{23}+i\sin\frac{2\pi j}{23},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{46} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^23-1=(z-1)\prod_{j=1}^{22}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{22}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{23} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。