東京大学 前期・理科 数学記述模試 第047回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)

\(0\le x\le 44\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+484\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)

円 \\(x^2+y^2=484\\) の内部の点 \(Q(11,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第3問 抽出方法と条件付き確率(20点)

袋に赤玉 \(22\) 個、青玉 \(44\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(6点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(6点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)


第4問 逆数で線形化し差を足す(20点)

\[ a_1=1/22,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(6点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(6点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)


第5問 三角関数の積分漸化式(20点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(6点)

(2)\(I_{44}\) を求めなさい。(6点)

(3)\(I_{45}\) を求めなさい。(8点)


第6問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(20点)

複素数zが \(|z-22|=2|z+22|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(6点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(6点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+484-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}484&t\le0\\484-t^2&0<t<44\\2420-88t&t\ge44\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-22\le t\le 22\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le22} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>22\) または \(t<-22\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>22\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(44)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2420-88t\)。

\[ \boxed{22<t\le \frac{55}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=11\) を円の式に代入する。\\(y^2=363\\)。

\[ \boxed{(11,\pm 11\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-11m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{484m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{484-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=22\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le22/2\)。面積の2乗は \(d^2(484-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(484-s)\) は \(0\le s\le484/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=121\sqrt{3},\quad x=11} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((22-1)/(66-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{7}{65}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{44(44-1)}{66(66-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{21}{109}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(22-1)<110-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{21}{109}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+21}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{22}-\frac1{n+22}=\frac{n}{22(n+22)}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+22}{22}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(22\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{263012370465}{4398046511104}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(22\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{2199023255552}{11835556670925}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-22)^2+y^2=4((x+22)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+\frac{110}{3})^2+y^2=\frac{7744}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(110/3\)、半径は \(88/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=66\ (z=-66),\quad\min|z|=\frac{22}{3}\ (z=-\frac{22}{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-22w|=2|1+22w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{66})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{4}{1089}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。