東京大学 前期・理科 数学記述模試 第017回
この回のテストポイント
- 第1問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第2問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第3問:抽出方法と条件付き確率
- 第4問:逆数で線形化し差を足す
- 第5問:対数の評価と部分積分
- 第6問:複素数の回転と正三角形
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)
\(0\le x\le 32\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+256\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)
円 \\(x^2+y^2=256\\) の内部の点 \(Q(8,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)
第3問 抽出方法と条件付き確率(20点)
袋に赤玉 \(16\) 個、青玉 \(32\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。
(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(6点)
(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(6点)
(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)
第4問 逆数で線形化し差を足す(20点)
で数列を定める。
(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(6点)
(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(6点)
(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)
第5問 対数の評価と部分積分(20点)
自然対数を用いる。\(1\le x\le16\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。
(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(6点)
(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(6点)
(3)
を求めなさい。(8点)
第6問 複素数の回転と正三角形(20点)
複素数平面で \(A=16,B=16i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。
(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(6点)
(2)正三角形の面積を求めなさい。(6点)
(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+256-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-16\le t\le 16\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>16\) または \(t<-16\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>16\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(32)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(1280-64t\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=8\) を円の式に代入する。\\(y^2=192\\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
直線は \(mx-y-8m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{256m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{256-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le16/2\)。面積の2乗は \(d^2(256-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(256-s)\) は \(0\le s\le256/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 抽出方法と条件付き確率
(1)
最初の赤の確率は1/3、2個目は \((16-1)/(48-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{32(32-1)}{48(48-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(16-1)<80-1\) を用いる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 逆数で線形化し差を足す
(1)
初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
漸化式から
。和をとると中間の項が消える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第5問 対数の評価と部分積分
(1)
\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<16\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 複素数の回転と正三角形
(1)
。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(|B-A|=16\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。