東京大学 前期・理科 数学記述模試 第014回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学III(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 三角関数を二次関数に置き換える(20点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+15\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(6点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(6点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=15\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)


第2問 空間の垂線と四面体(20点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(15,0,0),B(0,30,0),C(0,0,45) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(6点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(6点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(20点)

\(15\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(6点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(6点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第4問 重解を使う三次曲線の面積(20点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-675x\) の \(x=15\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(6点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(6点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(8点)


第5問 回転軸を変える体積計算(20点)

\(0\le x\le15\) で曲線 \(y=x(15-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(6点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(6点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


第6問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(20点)

複素数zが \(|z-15|=2|z+15|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(6点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(6点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=15+t-30t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=15+\frac1{120}-30(t-\frac1{60})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=15\)、\(f(1)=-14\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{1801}{120}\ (\sin\theta=\frac1{60}),\quad\min f=-14\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-30t^2=0\) の解は0と \(1/30\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{30}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=90} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=90\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{540}{49},\frac{270}{49},\frac{180}{49}),\quad OH=\frac{90}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(225\)、Cからこの底面までの高さは \(45\) なので体積は \(3375\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{\frac{1575}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{15}=481066515734\)。全割当ては \(15!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{34361893981}{93405312000}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/15\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(15)=0\) なので \(l:y=-6750\)。差は \((x-15)^2(x+30)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-30,-6750),\quad(15,-6750)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-30,15]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-30}^{15}(x^3-675x+6750)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-\frac{675}{2}x^2+6750x\\)。

\[ \boxed{\frac{1366875}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{15}(f(x)+6750)\,dx=\frac{151875}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第5問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{15}x(15-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{1125}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切り口は半径 \(x(15-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{15}x^2(15-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{50625}{2}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(0\le y\le225/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(15\pm\sqrt{225-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=15\pi\sqrt{225-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{16875}{2}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-15)^2+y^2=4((x+15)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+25)^2+y^2=400} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(75/3\)、半径は \(60/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=45\ (z=-45),\quad\min|z|=5\ (z=-5)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-15w|=2|1+15w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{1}{9})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{2025}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。