東京大学 前期・文科 数学記述模試 第082回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)

\(0\le x\le 36\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+324\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)

円 \\(x^2+y^2=324\\) の内部の点 \(Q(9,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第3問 標本平均と片側検定・必要標本数(20点)

ある母集団の母標準偏差は \(18\) で既知とする。独立な \(1296\) 個の標本の平均は \(\bar x=51\) だった。帰無仮説 \(\mu=50\)、対立仮説 \(\mu>50\) を有意水準5%で検定する。標本平均は正規分布で近似でき、標準正規分布の上側5%点は1.645、両側95%区間には1.96を使う。

(1)標本平均の標準偏差と標準化した検定統計量を求めなさい。(6点)

(2)検定の結論を、対立仮説の向きと有意水準を含めて説明しなさい。(6点)

(3)母平均の95%信頼区間の半幅を0.5以下にする最小の標本数を求めなさい。(8点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)

\[ a_1=1,\ a_2=19,\ a_{n+2}=19a_{n+1}-18a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+324-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}324&t\le0\\324-t^2&0<t<36\\1620-72t&t\ge36\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-18\le t\le 18\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le18} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>18\) または \(t<-18\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>18\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(36)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(1620-72t\)。

\[ \boxed{18<t\le \frac{45}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=9\) を円の式に代入する。\\(y^2=243\\)。

\[ \boxed{(9,\pm 9\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-9m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{324m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{324-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=18\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le18/2\)。面積の2乗は \(d^2(324-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(324-s)\) は \(0\le s\le324/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=81\sqrt{3},\quad x=9} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 標本平均と片側検定・必要標本数

(1)

標本平均の標準偏差は

\[ \sigma/\sqrt n=18/\sqrt{1296}=1/2 \]

。\(Z=(51-50)/(1/2)=2\)。

\[ \boxed{\sigma_{\bar X}=\frac12,\quad Z=2} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

対立仮説は平均が大きいという片側。統計量2は上側5%点1.645を超えるため帰無仮説を棄却する。5%水準で母平均が50より大きいと判断する。帰無仮説が誤りである確率が95%という意味ではない。

\[ \boxed{\text{有意水準5\%で棄却する}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半幅は \(1.96\sigma/\sqrt n\)。\(1.96\cdot18/\sqrt n\le0.5\) を解くと \(n\ge(3.92\cdot18)^2\)。標本数は整数なので切り上げる。

\[ \boxed{4979} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=18(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(18\) なので \(a_{n+1}-a_n=18^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{18^n-1}{17}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(18-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{18(18^n-1)-17n}{289}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=18a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-18a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。