東京大学 前期・文科 数学記述模試 第061回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 三次方程式の実数解の個数(20点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-1587x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(6点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(6点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(8点)


第2問 放物線の接線と囲まれた面積(20点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-529)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(6点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(6点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)

表の確率が \(1/23\)、裏の確率が \(22/23\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)

\[ a_1=1,\ a_2=24,\ a_{n+2}=24a_{n+1}-23a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-23)(x+23)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-23\) で極大、\(x=23\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }24334,\quad\text{極小値 }-24334} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-24334<a<24334} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=24334\) では \(f(x)-a=(x-46)(x+23)^2\)。\(a=-24334\) では \(f(x)-a=(x+46)(x-23)^2\)。

\[ \boxed{a=24334:x=-23,46;\quad a=-24334:x=-46,23} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=529\)。

\[ \boxed{y=46x-529,\quad y=-46x-529} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm23,529)\)。底辺の長さは \(46\)、Pから底辺までの高さは \(1058\)。

\[ \boxed{24334} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-23)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{23}(x-23)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{24334}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{529},\quad P(T=3)=\frac{22}{12167}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/23,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{552} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(23\) 回なので合計2回の表までの平均は \(46\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=46,\quad\text{差}=506} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=23(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(23\) なので \(a_{n+1}-a_n=23^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{23^n-1}{22}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(23-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{23(23^n-1)-22n}{484}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=23a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-23a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。