東京大学 前期・文科 数学記述模試 第057回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。

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問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)

\(0\le x\le 40\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+400\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)

円 \\(x^2+y^2=400\\) の内部の点 \(Q(10,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(20点)

\(20\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(6点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(6点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)

\[ a_1=1,\ a_2=21,\ a_{n+2}=21a_{n+1}-20a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+400-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}400&t\le0\\400-t^2&0<t<40\\2000-80t&t\ge40\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-20\le t\le 20\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le20} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>20\) または \(t<-20\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>20\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(40)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2000-80t\)。

\[ \boxed{20<t\le 25} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=10\) を円の式に代入する。\\(y^2=300\\)。

\[ \boxed{(10,\pm 10\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-10m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{400m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{400-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=20\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le20/2\)。面積の2乗は \(d^2(400-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(400-s)\) は \(0\le s\le400/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=100\sqrt{3},\quad x=10} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{20}=895014631192902121\)。全割当ては \(20!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{4282366656425369}{11640679464960000}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/20\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=20(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(20\) なので \(a_{n+1}-a_n=20^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{20^n-1}{19}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(20-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{20(20^n-1)-19n}{361}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=20a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-20a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。