東京大学 前期・文科 数学記述模試 第034回
この回のテストポイント
- 第1問:三角関数を二次関数に置き換える
- 第2問:空間の垂線と四面体
- 第3問:標本平均と片側検定・必要標本数
- 第4問:絶対値を含む面積の最適化
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 三角関数を二次関数に置き換える(20点)
\(0\le\theta\le\pi/2\) で
とする。
(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(6点)
(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(6点)
(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=9\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)
第2問 空間の垂線と四面体(20点)
空間で
を考える。
(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(6点)
(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(6点)
(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)
第3問 標本平均と片側検定・必要標本数(20点)
ある母集団の母標準偏差は \(9\) で既知とする。独立な \(324\) 個の標本の平均は \(\bar x=51\) だった。帰無仮説 \(\mu=50\)、対立仮説 \(\mu>50\) を有意水準5%で検定する。標本平均は正規分布で近似でき、標準正規分布の上側5%点は1.645、両側95%区間には1.96を使う。
(1)標本平均の標準偏差と標準化した検定統計量を求めなさい。(6点)
(2)検定の結論を、対立仮説の向きと有意水準を含めて説明しなさい。(6点)
(3)母平均の95%信頼区間の半幅を0.5以下にする最小の標本数を求めなさい。(8点)
第4問 絶対値を含む面積の最適化(20点)
\(0\le a\le9\) とする。\(0\le x\le9\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。
(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(6点)
(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(6点)
(3)面積の最小値を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 三角関数を二次関数に置き換える
(1)
\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
平方完成より
。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=9\)、\(f(1)=-8\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(t-18t^2=0\) の解は0と \(1/18\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 空間の垂線と四面体
(1)
平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=54\)。距離は \(7s\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
底面OABの面積は \(81\)、Cからこの底面までの高さは \(27\) なので体積は \(729\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 標本平均と片側検定・必要標本数
(1)
標本平均の標準偏差は
。\(Z=(51-50)/(1/2)=2\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
対立仮説は平均が大きいという片側。統計量2は上側5%点1.645を超えるため帰無仮説を棄却する。5%水準で母平均が50より大きいと判断する。帰無仮説が誤りである確率が95%という意味ではない。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
半幅は \(1.96\sigma/\sqrt n\)。\(1.96\cdot9/\sqrt n\le0.5\) を解くと \(n\ge(3.92\cdot9)^2\)。標本数は整数なので切り上げる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 絶対値を含む面積の最適化
(1)
差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le9\) では曲線が上。
。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(S'(a)=a^2-\frac{81}{2}\)。定義域内で \(a=9/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。