東京大学 前期・文科 数学記述模試 第027回
この回のテストポイント
- 第1問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第2問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第3問:停止する試行と期待値の連立
- 第4問:逆数で線形化し差を足す
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)
\(0\le x\le 16\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+64\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)
円 \\(x^2+y^2=64\\) の内部の点 \(Q(4,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)
第3問 停止する試行と期待値の連立(20点)
表の確率が \(1/8\)、裏の確率が \(7/8\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。
(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(6点)
(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(6点)
(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)
第4問 逆数で線形化し差を足す(20点)
で数列を定める。
(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(6点)
(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(6点)
(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+64-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-8\le t\le 8\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>8\) または \(t<-8\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>8\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(16)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(320-32t\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=4\) を円の式に代入する。\\(y^2=48\\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
直線は \(mx-y-4m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{64m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{64-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le8/2\)。面積の2乗は \(d^2(64-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(64-s)\) は \(0\le s\le64/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 停止する試行と期待値の連立
(1)
2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(p=1/8,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
1回の表までの平均は \(8\) 回なので合計2回の表までの平均は \(16\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 逆数で線形化し差を足す
(1)
初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
漸化式から
。和をとると中間の項が消える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。