東京大学 前期・文科 数学記述模試 第007回
この回のテストポイント
- 第1問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第2問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第3問:抽出方法と条件付き確率
- 第4問:三項間漸化式と互いに素の証明
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学II(全範囲)/数学A(全範囲)/数学B(数列・統計的な推測)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
時間・配点・範囲は2027年度の公式選抜要項を確認しています(確認日:2026-10-03)。大問数と記述形式は公開試験(2026年度)を参考にした演習設計です。小問配点は本模試の採点基準です。
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問題
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(20点)
\(0\le x\le 8\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+16\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(6点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(6点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(20点)
円 \\(x^2+y^2=16\\) の内部の点 \(Q(2,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(6点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(6点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)
第3問 抽出方法と条件付き確率(20点)
袋に赤玉 \(4\) 個、青玉 \(8\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。
(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(6点)
(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(6点)
(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(20点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(6点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(6点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)
解答・解説
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+16-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-4\le t\le 4\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>4\) または \(t<-4\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>4\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(8)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(80-16t\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=2\) を円の式に代入する。\\(y^2=12\\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
直線は \(mx-y-2m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{16m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{16-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le4/2\)。面積の2乗は \(d^2(16-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(16-s)\) は \(0\le s\le16/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第3問 抽出方法と条件付き確率
(1)
最初の赤の確率は1/3、2個目は \((4-1)/(12-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{8(8-1)}{12(12-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(4-1)<20-1\) を用いる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(4\) なので \(a_{n+1}-a_n=4^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(4-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=4a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-4a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。